Oracle対GoogleのJava/Android訴訟、Googleの特許侵害は認められず

 米Oracleと米Googleの「Android」を巡る知的所有権侵害訴訟で審理にあたっていた陪審員団は5月23日、北カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にて、GoogleはJavaの特許を侵害していないとする評決を下した。Googleは完全勝利として勝利宣言を行ったが、Oracleは「Javaの『一度書けばどこでも動く』の原則を守るために擁護を続けるつもりだ」と述べ、上訴を示唆した。

 この訴訟は、2010年8月にAndroidがJavaの知的所有権を侵害しているとしてOracleがGoogleを提訴したもの。Oracleは7件の特許を侵害しているなどとして61億ドルの損害賠償を求めていたが、現在特許は2件に大幅縮小されている。

 今回の審理は著作権に次ぐもので、特許が争点となった。ここで陪審員は一週間以上にわたる審理の後、GoogleはOracleがJavaで有する特許を侵害していないという見解で一致した。特許侵害が認められなかったことから、Oracleが請求できるのは著作権侵害による損害賠償となり、請求できる金額はそれほど多くないと見込まれている。

 Googleは「Google、ひいてはAndroidエコシステム全体の勝利」と述べたのに対し、Oracleは「Oracleは、GoogleはJavaを分断し害を与えると知っていたことを示す十分な証拠を提示した」とし、Javaの原則と900万人のJava開発者とコミュニティを保護するつもりだとする声明文を出している。

 なお、5月初めの著作権に関する陪審員の判断は、Oracleが主張するJava APIの著作権をGoogleが侵害している点は認められたが、著作権に付随するフェアユースについては判断が分かれた。これについては、判事が判断を下すことになっており、今後が注目される。

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