Nokiaが「Qt SDK 1.1」ベータを公開、Qt Quickを正式ローンチ
フィンランドNokiaは3月1日、クロスプラットフォームのUI/アプリケーション開発フレームワークの最新版「Qt 4.7.2」を含む次期SDK「Qt SDK 1.1」ベータ版を公開した。詳細なプログラミング知識なしにアプリケーションを開発できる「Qt Quick」の正式版が含まれている。
Qtプラットフォーム向けのSDKとなるQt SDK 1.1ベータ版には、Qt 4.7.2、IDEの「Qt Creator 2.1」、ビジュアルエディタの「Qt Quick Designer」、モビリティAPIの「Qt Mobility 1.1.1」、それに「Qt Simulator 1.1」(ベータ)などが含まれている。Qt 4.7.2は同日マイナーアップデートとして公開された最新版で、Qt Creator 2.1も同日リリースとなった。
Qt Creator 2.1の最大の特徴であるQt Quick(Qt UI Creation Kit)は2009年に同社が発表した技術。QML(Qt Meta-Object Language)という言語を利用してUIやアプリケーションを開発できる。Qt QuickはQt 4.7より統合されており、今回バージョン1.0となった。ビジュアルエディタであるQt Designerとの併用が可能となり、Qt Creatorを利用したQML UIの開発がさらに効率化される。
Qt開発チームはバージョン1.1より、デスクトップ向けのQt SDKとモバイル向け「Nokia Qt SDK」を合わせて「Qt SDK」とすることも発表している。
Qtのマーケティング担当者Daniel Kihlberg氏はQt Creator 2.1の発表に合わせ、QtコミュニティによるAndroidや「WebOS」へのポーティングの取り組みも紹介している。Qtはモバイルでは、NokiaのSymbianやMeeGo、米MicrosoftのWindows Mobileなどに公式対応している。Nokiaは2011年2月、MicrosoftのWindows Phoneを採用する新戦略を発表したが、Qtは現時点ではWindows Phoneには対応していない。
Qt SDK 1.1ベータはWindows、Linux(32ビットと64ビット)、Mac OS Xに対応、Qtのダウンロードページより入手できる。
フィンランドNokia
http://www.nokia.com
ダウンロード
http://qt.nokia.com/downloads