QtのNokia依存を減らす取り組み「Qt Project」正式ローンチ

 フィンランドNokiaは10月21日、「Qt Project」を正式にローンチした。クロスプラットフォームUI/アプリケーション開発フレームワークの「Qt」を「本当のオープンソースプロジェクト」にするもので、誰もがQt開発に参加・貢献できるようにすることを目的とする。

 Qtは商用/GPL/LGPLライセンスで公開されているオープンソースソフトウェアだが、開発はNokiaの下で行われており、完全にオープンではなかった。Qt ProjectはNokiaへの依存をなくし、Qtを完全なオープンソースプロジェクトにする取り組み。Apache Software Foundation(ASF)などと同様にメリトクラシー(能力主義)とコンセンサスに基づくメンテナーと承認の構造を持ち、NokiaかNokia以外かに関係なく参加できるようにする。

 プロジェクトは同日、Webサイト「qt-project.org」を公開した。今後プロジェクトのメインWebサイトとなるもので、ガイドライン、バグトラッカー、コードレビューツール「Gerrit」などにアクセスできる。メーリングリストも今後、同ドメインを利用する。最終的にはすべての開発作業をqt-project.orgに一元化し、全員が同時にアクセスできるようにする。たとえば、パッチのレビューも制限がなくなり、承認者とメンテナーにより決定されるという。

 QtチームはQt Projectへの参加を呼びかけている。参加にはこれまでどおり、貢献同意書に合意する必要がある。

Qt Project
http://qt-project.org/