Qt 4.7系最後となる「Qt 4.7.4」がリリース、MeeGo 1.2を含むSDKも公開

 フィンランドNokiaのQt開発チームは9月1日、クロスプラットフォームのアプリケーション開発フレームワーク「Qt 4.7.4」をリリースした。4.7系では最後のリリースとなる予定で、「Qt Quick」のアップデートなどが特徴となる。

 2011年3月に公開されたバージョン4.7.2以来のリリースで、バグ修正が中心のメンテナンスリリースとなる。

 Qt Quickは、Qt 4.7で導入されたUI記述言語「QML」を含むUI開発技術。Qt Quick 1.1では、指2本を使って画面を拡大するピンチジェスチャーをサポートする「PinchArea」が加わった。また、テキスト関連要素にいくつかのプロパティやメソッド、ハンドラが追加され、アラビア語など右から左に向けて読み進める言語へのサポートも行われた。画像のキャッシュ機構も改善されている。OpenGLシェーダーエフェクトをQMLアプリに組み込む「QML Shaders」プラグインも導入された。

 開発チームによると、4.7.4を最後に4.7系の開発は終了し、作業は4.8に引き継ぐという。すでに、7月に4.8の初のベータが公開されている。

 Qtは同日、統合開発環境(IDE)の最新版「Qt Creator 2.3.0」もリリースした。全体の開発エクスペリエンスを改善したとのことで、C++向けコードスタイルオプションを強化したほか、Qt Quick対応も強化、Qt 4.7.4をインストールした「Symbian」や「Meego 1.2 Harmatan」向けのQt Quickアプリのデバッグとプロファイリングも可能となった。

 これらを含む「Qt SDK 1.1.3」は、Qtのダウンロードページより入手できる。MeeGo 1.2 Harmatan(ベータ)や「Qt Simulator 1.2」なども加わった開発キットで、プラットフォームはWindows、Linux(32ビット、64ビット)、Mac OS Xに対応する。

Qt(フィンランドNokia)
http://qt.nokia.com/

ダウンロード
http://qt.nokia.com/downloads