2年の歳月をかけて開発された「GTK+ 3.0」が登場

 GUIツールキットの「GTK(GIMP Tool Kit)+」を開発するThe GTK+ Teamは2月10日、最新版「GTK+ 3.0」を公開した。2年の歳月をかけて開発が進められたメジャーアップデートバージョンとなり、数々の新機能が加わっている。

 GTK+は、C/C++、Python、Perlなど多言語に対応するマルチプラットフォームのGUIツールキット。GIMPだけでなく、GNOME、Xfceなどのデスクトップ環境やウィンドウマネージャでも利用されている。GNU Projectの一部で、ライセンスにはLGPLを採用する。

 最新版では、描画APIとしてX11に代わり「Cairo」が全面的に導入された。描画関連はCairoを独占的に利用するため、pixmapsなどのX11中心のコンセプトを削除したという。

 入力デバイスでは「X Input 2(XI2)」をサポート、これまで問題とされてきた入力デバイスの制御を改善した。ポインタ、キーボードなどのさまざまな機器をフルでサポートするという。

 また、複数のGDKバックエンドに対応、単一のライブラリとなり実行時に選択可能となった。これによりポーティング作業を簡素化できる。このほか、CSS経由で設定できるテーマAPIを導入し、ジオメトリ管理も強化されている。メッセージバスのD-BusをGIOでサポート、アプリケーションサポートが容易になるという。

 最新版はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。GnomeのWebサイトでは、マイグレーションドキュメントも用意している。

GTK+ Project
http://www.gtk.org/