シンプルさにこだわった「GNOME 3」が登場

 GNOME Projectは4月6日(米国時間)、最新のデスクトップ環境「GNOME 3」をリリースした。2002年のGNOME 2公開以来、9年ぶりのメジャーアップデートとなる。

 GNOME 3でのもっとも大きな変更点は「次世代のユーザーインターフェイスを再設計した」というユーザーインターフェイス。ユーザーをいらいらさせることなく必要なタスクに集中できるよう、通知やワークスペース、バックグラウンドウィンドウなどの表示方法が新たにデザインされている。

 GNOME 3でユーザーインターフェイスを司るGNOME Shellには主として「Clutter」というUIツールキットが用いられており、シンプルで使いやすいデザインや動作が採用されている。不要なウィジェットやアイコンを排除することで全体を簡素化し、通知システムやパネル表示もユーザーの邪魔にならないように改善された。また、上部のステータスバー左やWindowsキーから呼び出せる「Activities Overview」機能では、表示中のウィンドウやアプリケーションを一覧できる。  また、アプリケーションやウィンドウ、ドキュメントなどをまとめて検索できるデスクトップ検索機能や、さまざまなアプリケーションからの通知を一括して管理できるメッセージング機能なども搭載されている。システム設定も容易になり、ワークスペース、ウィンドウマネージャなども改善されている。

 開発者向けとしては、GTK+3、最新のAPI、IDEのAnjutaの強化などが特徴となる。GNOME 2のアプリケーションはGNOME 3でも修正なしに動作するため、開発者は自分のペースでGNOME 3環境に移行できるとのこと。そのほかJavaScriptとの統合強化により、デザイナーも容易にインターフェイスを開発できるという。

GNOME Project
http://www.gnome.org/