Eclipseの年次開発者調査、デスクトップLinuxの利用が3割超えという結果に

 非営利団体のEclipse Foundationが6月7日、4月に行った年次開発者調査の結果を「The Open Source Developer Report」として発表した。開発者が使用するデスクトップOSとしてのLinuxシェアが拡大していることや、RIA/サーバーサイドアプリケーションの開発フレームワークとしてjQueryやSpring Frameworkが人気ということが明らかになったという。

 この調査は、Eclipseのホームページ上で4月15日から5月15日までオンラインアンケート形式で実施されたもの。回答者は1948人で、Eclipseユーザーを中心に約半分が開発者となっている。ドイツ(25.7%)とフランス(15.7%)の回答者が多かった。

 開発者が使用するデスクトップOS種別では、Linuxのシェアが32.7%となり、2009年の26.9%、2007年の20%から増加した。Mac OS Xも2007年の3.5%から7.9%にシェアを増加させた。いっぽう、Windowsは2007年の73.8%から2010年には58.3%と減少した。Linuxのうち、最多ディストリビューションはUbuntu(18.4%)で、Fedora(4.7%)が続くという結果だった。

 プログラミング言語はJavaが最多で69.5%、C/C++が10.5%、PHPが9%などとなった。IDEは「Eclipse JDT」が53.7%、「Eclipse PDT」(14.3%)、「Eclipse CDT」(7.4%)の順。Javaをメインに利用する開発者にアプリ実装に利用するJava仮想マシンを聞いたところ、「Sun Hotspot JVM」が70%近くを占めたが、「Open JDK」も21.7%となった。開発者はJava、C/C++、JavaScript、PHP、Pythonなど複数の言語を利用している傾向もわかったという。

 使用するソースコード管理ではSubversion(58.3%)が最多だが、git/GitHub(6.8%)、Mercurial(3%)なども増加しているという。ビルド・リリース管理ではAntが50.4%で最も多く、Maven(28.3%)や「Hudson」(21.8%)が後に続いている。

 アプリケーションフレームワークでは、サーバー向けで「Spring」や「EJB」が約19%、RIAではjQueryが26.2%となった。アプリケーションサーバーはApache Tomcatが33.8%、「利用しない」も増えて30.8%となった。データベースはMySQLが31.8%で最も多く、2009年から4ポイント増加した。Oracleは前回から6ポイント減少して21.6%、PostgreSQLは11%。

 クラウドについては、58.4%が「アプリケーション実装にクラウドインフラを利用する計画なし」と回答、クラウドを利用している中では、「Amazon EC2」が最も多かった。

Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/