ライブブックマークを強化して使い勝手を向上させる「LiveClick」拡張

 Firefoxには、「ライブブックマーク」というRSSフィードリーダーが装備されている。これによって、RSSフィードを購読することが可能となっている。しかし、シンプルなのはいいとしても、いささか使い勝手は悪く、以前紹介した「Sage-Too」などの拡張機能をインストールしたり、フィードリーダーソフトを利用したりする人は多い。だが、せっかく標準で装備されているライブブックマークの不満点が解消できれば使えるものになるのではないか――そうした声から生まれたのかどうかは分からないが、ライブブックマークを強化して使いやすさを向上させる「LiveClick」というアドオンが存在する。LiveClickを導入することで、ライブブックマークの見た目の変更や、フィードの新着通知機能などの機能が追加、拡充されるのだ。

 インストールするには、FirefoxアドオンサイトのLiveClickのページから「Firefoxへインストール」をクリックする。確認ダイアログが表示されたら「今すぐインストール」ボタンをクリックし、インストール終了後は指示に従ってFirefoxを再起動するだけだ。

 インストールが終わったらライブブックマークを開いてみよう。ライブブックマークのアイコンが当該WebサイトのFaviconに置き換えられるため、一目で分かりやすくなっているのだ(図1)。そして何より、RSSの新着、未読、既読が色分け表示されるのが便利である。デフォルトでは、新着記事がオレンジ、未読記事が黒、既読記事がグレーと色分けされている。さらに、フィードをマウスオーバーするとその記事の概要がツールチップで表示されるほか、新着記事があった場合にはFirefoxの右下に通知がポップアップ表示されるので、新しい情報を見逃さないようになるはずだ。こうしたちょっとした変更を加えることで、タイトルだけの標準のライブブックマークに比べるとぐっと使いやすくなっている。

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図1:LiveClickでライブブックマークにFaviconが付きフィードが色分け表示される

 LiveClickのオプション設定は、メニューの「ブックマーク」→「ライブブックマーク」→「LiveClickオプション」からダイアログを開いて行う。

 「全般」タブ(図2)からは、基本的な項目の設定を。「ライブブックマークの更新」では、更新チェックの間隔を分単位で設定可能だ。デフォルトでは60分間隔にセットされている。そして、「Faviconをライブマークアイコンとして表示」にデフォルトでチェックが入っているため、先ほど見たアイコンの置き換えが行われる。なお、この設定の変更を行う場合、再起動する必要があるかもしれないと、注意書きがされている。ほかにも同様の注意書きがある設定項目があるので注意されたい。そして、「ライブブックマークアイテムのプレビューを表示する」にチェックが入ることで、フィードのタイトルにマウスカーソルを合わせた時に、ツールチップで概要を表示することが可能になっている。なお、この機能は、読み込むRSSフィードによってはうまくいかない場合もある。

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図2:「全般」タブ 図3:「メニュー」タブ

 「メニュー」タブ(図3)からは、ライブブックマークのタイトルをクリックした時の動作と、各ライブブックマークの下部に追加表示するメニュー項目の設定を行う。デフォルト設定では、ライブブックマークのタイトルを左クリックすると、現在開いているタブでWebページを開く(場所を開く)ようになっている。また、中クリックかCtrlキーを押しながらクリックした際には、新規タブで開く。これらの動作は、プルダウンから「フィードを開く」「すべてのアイテムをタブで開く」「未読アイテムをタブで開く」など、簡単に変更することが可能だ。また、「アイテムを中クリックした後にメニューを開いたままにする」にチェックを入れておくと、メニューを閉じないようにして複数の記事を開きやすくすることも可能だ。この場合、「最後の未読アイテムを中クリックした後に閉じる」設定をすることもできる。また、ライブブックマークに追加されるメニュー項目に関しては、デフォルトでは「下部」になっているが、「上部」に変更することも可能となっている。

 「読み込み」タブ(図4)からは、フィードに更新があった場合の表示の設定を行う。「ライブブックマークアイテムのプレビュー後」や「ライブマークメニューを見た後」、「ライブブックマークの場所を開いた後」、そして「Firefox終了時」の動作と、更新・未読・既読のライブマークとアイテムの表示色が設定できるのだ。

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図4:「読み込み」タブ 図5:「監視」タブ

 「監視」タブ(図5)は、RSSフィードの監視に関する設定だ。デフォルトでは、監視しているライブブックマークに新規アイテムがある場合、「通知する」になっており、Firefoxの右下にポップアップ通知がされるようになっている。これを、自動的にタブで読み込むなどへ変更することも可能だ。

 この「監視」タブは、さらに4つのタブが内包されている。「監視中」タブは、登録してあるライブブックマークの中で、監視したいものをチェックする。全部チェックする場合は、「すべて選択」ボタンをクリックしておこう。「通知」タブでは、新規のアイテムが1つの場合と、複数ある場合の動作を設定する。特にニュースサイトなどは、複数の記事が更新されることが多いので、この設定は重要だ。「自動読込」タブは、自動的に読み込む新規アイテムがあった場合の設定。これらの設定は、左下にある「設定」ボタンから、「初期設定に復元」「設定の取り込み」「設定の書き出し」を選ぶことで、いつでもバックアップやリストアをしたり、デフォルト値に戻すことが可能だ。

 以上の設定を組み合わせることで、Firefoxに標準装備されたライブブックマークの使いやすさは、格段に向上するだろう。とはいってもさすがに、何百件などといった大量のフィードを購読するのは少々骨が折れるが、小数の限られたフィードをチェックするだけなら、十分に効力を発揮するはずだ。もちろん、高機能なRSSリーダーなどにかなうものではないが、複雑すぎるアプリケーションを使うのには尻込みしてしまうユーザーもいる。それでも、RSSフィードの購読には興味があって、試しに使ってみたいという人には、Firefox標準機能を拡張するものなだけに、オススメのアドオンといえよう。