IBM、伝染病予測ソフトウェアをオープンソース化
米国IBMは6月8日(現地時間)、IBMが開発した伝染病の感染地域の予測に役立つソフトウェアをオープンソース化したことを発表した。
「STEM(Spatio-Temporal Epidemiological Modeler:時空間的疫学モデラー)」というソフトウェアで、IBMのアルマデン研究所(米国)、ハイファ研究所(イスラエル)、ワトソン研究所(米国)が共同で開発したもの。STEMは、Eclipseコミュニティを統率するEclipse財団に寄贈され、EclipseOHF(Eclipse Open Healthcare Framework Project)を通じて提供される。このソフトウェアを使うと、世界中の人口、地理的およびマクロ経済的データ、道路の路線、空港所在地、旅行パターン、および渡り鳥ルートといったさまざまな変数に基づいて、疾病の広がりをシミュレートし、図示することができるという。
IBMのディスティングイッシュト・エンジニアでヘルスケア・アンド・ライフサイエンス担当プログラム・ディレクターであるJoseph Jasinski氏は、プレスリリースの中で「STEMを利用することで、公衆衛生当局は嵐やハリケーンのモデル化に近い形で、伝染病の広がりをモデル化できます。これはまるで公衆衛生における天気図のようなものです。これまでは、健康に対する危機のシナリオを全世界規模で展開することは不可能でしたが、STEMの登場によって、それができるようになりました」とコメントしている。
米国IBM
http://www.ibm.com/
STEMのダウンロードURL
http://www.eclipse.org/ohf/components/stem/