Sun、ストレージ技術をOpenSolarisコミュニティに寄贈――ストレージ・システム構築の低コスト化を促進

 米国Sun Microsystemsは4月10日、ファイルシステムのソースコードやストレージ関連技術などを「OpenSolaris」の開発者コミュニティに寄贈すると発表した。Solarisシステム向けのストレージ環境をユーザーが低コストで構築できるようにするのがねらいだ。

 Sunはこの計画を今後数カ月かけて実施するとしており、自社ファイルシステムのソースコードやストレージ技術を、OpenSolaris.orgのストレージ・コミュニティに徐々に提供していく。Sunのマーケティング担当シニア・バイスプレジデント、ナイジェル・ダッソー氏が10日、明らかにした。

 OpenSolarisコミュニティのメンバーで、ソフトウェア・ベンダーのジョイエントでCEOを務めるデビッド・ヤング氏は、寄贈されるソースコードおよび技術は汎用的なストレージ環境を構築するのに大いに役立つとして、今回の発表を歓迎している。

 「われわれのニーズは、企業ユーザーのそれとあまり変わらないのではないか。ギガバイト当たりのコストを引き下げるとともに、特定デバイス/ベンダー向けではなく汎用的なソリューションを管理できるようにしたい」(ヤング氏)

 ジョイエントは現在、Webアプリケーション開発フレームワーク「Ruby on Rails」とストレージ・ソフトウェアを組み合わせたソリューションの提供に力を入れている。このサービスは、Sunのサーバ(Sun Fire X4100や同T1000など)、OpenSolaris、および「Sun Java System Directory Server」上で動作すると、ヤング氏は語る。

 Sunのダッソー氏は、今回の寄贈により、Solarisに対応するストレージ・ソフトウェアの開発が加速することを期待している。

 「これまでのように、各社が構築したSolarisベースのシステムにストレージ・ソフトウェアが深く依存することは少なくなるはずだ。ソフトウェア開発の柔軟性が増し、その結果、開発や管理にかかるコストも抑えられる」(ダッソー氏)

 Sunが寄贈計画の第1弾としてOpenSolarisコミュニティに提供したものの中には、Solaris 10の128ビット・ファイルシステム「Solaris ZFS(Zetabyte File System)」のソースコードが含まれている。これは、ファイルシステムを物理ストレージから分離する仮想ストレージ・プールを提供し、ストレージ・デバイスの効率性を高めるというものだ。

 同社はさらに、「Network File System(NFS)v4.1(parallel NFS)」や「YANFS(旧WebNFS)」などのソースコードをOpenSolarisコミュニティに提供している。

 Sunによると、同コミュニティのメンバーは、共有ファイルシステムの「Sun StorageTek QFS」や、同社のCIFS(Common Internet File System)サーバである「同Storage Archive Manager」などが今年オープンソース化されるのを期待しているという。

(ブライアン・フォンセカ/Computerworld オンライン米国版)

米国Sun Microsystems
http://www.sun.com/
OpenSolaris.org
http://www.opensolaris.org/

提供:Computerworld.jp