Oracle、Java対応のRIA開発ツールを今週リリース――Javaアプリ・フレームワーク「Spring」用のSDKも提供へ

 米国Oracleは今週、RIA(Rich Internet Application)の開発ツールをリリースするとともに、Javaアプリケーション開発フレームワーク「Spring Framework」用のSDK(ソフトウェア開発キット)を発表する予定だ。

 Oracleは、8日(米国時間)からサンフランシスコで開催される「2007 JavaOne conference」に合わせ、無料のJava対応統合開発環境「JDeveloper」と「Oracle Application Development Framework(ADF)」をリリースする。同社のツールおよびミドルウェア担当主任アーキテクト兼バイスプレジデント、テッド・ファレル氏によると、いずれの製品もRIAを容易に開発できるようにするものだという。

 「われわれは、AjaxやFlashのようなRIA開発技術をポートフォリオに加えた。これらのツールを利用すれば、JSF(JavaServer Faces)やJSP(JavaServer Pages)などで必要となるスキルをRIAの開発に流用できる。このとき開発者は、Ajaxに関する知識を有している必要はなく、ふだんJSFでプログラミングしているのと同じ要領で作業を行えばよい」(ファレル氏)

 Oracleは、Java EE 5に対応するすべての自社ツール/開発機能を更新し、JDeveloperおよびADFに80個以上のAjax対応RIAコンポーネントを追加。また、「ADF Render Kit」をFlashレンダリングやチャートなどのデータ可視化コンポーネントに対応させるとともに、JDeveloperに「JavaScript Editor」とデバッガを搭載した。

 さらに同社は5月7日、80個以上のAjax対応JSF 1.2コンポーネントから成る「ADF Faces Rich Client」技術を、オープンソース・コミュニティのApache Software Foundation(ASF)に寄贈することも明らかにした。

 一方、JavaOneコンファレンスでプレビュー版が発表される予定のSDKは、Spring Framework 2.0や、Spring定義のウィザードおよびエディタ・サポートを提供する「JDeveloper Extension for Spring」、さらには「Oracle Developer Depot」を含んでいる。このうちDepotは、Springベースの開発者向けツールで、Javaアプリケーションの開発作業を簡素化するものだとOracleでは説明している。

 このほか同社は、Java EE 5と互換性があり、新たにSpringにも対応したアプリケーション・サーバ「Oracle Application Server」のプレビュー版も、JavaOneに合わせてリリースするという。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)

米国Oracle
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提供:Computerworld.jp