Debconfを用いたシステム構成

DebConfと言われて通常思い浮かぶのは、Debian開発者の集う年会のことであろう。もっともこの名前はDebianプロジェクトのお気に入りのようで、大文字の「C」を小文字に変えたものが、Debianパッケージに含まれる構成用ユーティリティの名前にも使われている。先のコンファレンスがDebianの交流活動における中核であるとすれば、このプログラムの位置づけは、Debianのテクニカル面における特長の1つであるパッケージ管理システムの中核をなすものだとも言えるだろう。Debconfの特長は、構成するレベルをユーザが指定した上で必要な設定を施せる点だ。

英ESR社がLinuxとOSSに移行

ESR Technology’sのコンピュータネットワークは、同社が環境および技術コンサルタント業に携わる英国のAEA Technologyの傘下にあった頃には、Novell NetWareとMicrosoft Windowsで構成されていた。昨年10月にColler Capitalに買収された後、このリスク管理企業ESRは、6カ月をかけて、世界中にいる100名以上のユーザに対応する新しいインフラストラクチャの選定と設計、そして実現を行った。ESRは、Linuxが一番確実、という決断を下した。

Debianの新しいプロジェクト・リーダーの選挙戦

例年Debianの開発者達に対しては、定員1名のDebian Project Leader(DPL)を選出するよう呼びかけられる。今年もその時期が訪れ、そして今回も候補者が乱立している。今年度の出馬を表明しているのは、Jeroen van Wolffelaar氏Ari Pollak氏Steve McIntyre氏Anthony Towns氏Andreas Schuldei氏Jonathan(Ted)Walther氏Bill Allombert氏の7名の開発者である。DPLから退陣するBranden Robinson氏に再出馬の意図はないそうだ。

Debian、GNU Free Documentation Licenseについて決議

誰もが驚かされたのは、GNU Free Documentation License(GFDL)としてリリースされるマテリアルが、Debian Free Software Guidelines(DFSG)と両立できることにDebianの開発陣が賛成票を投じたことだ。もっとも変更不可部分を含まないという条件付きではあったが。この決定は、GFDLの関連プロジェクト内部で燻り続けていた従来からの懸案事項に決着を付けることになるだろう。今回の決定では、その大部分が無条件にGFDLを受けて入れている他のフリーおよびオープン・ソース・ソフトウェア(FOSS)プロジェクトに対し、Debianの位置づけについては依然として明確な一線を引いてはいるものの、将来バージョンのライセンスによってはDebianが完全に受け入れる可能性を残したものである。

フリー・フォント・ライセンスの現状

このところ、フリー・フォント・ライセンスを巡る動きが活発である。少し遡るが、Bitstream Veraライセンスが数年前に登場した。その後のほとんどのフリー・フォント・ライセンスが、その出発点に置くライセンスである。1月末にはSIL Internationalの一部門Non-Roman Script InitiativeがSIL Open Fontライセンスを発表し、続いて3月にはSTIXライセンスの新しい草案が発表される(フォントはベータ版が4月、最終版は6月の予定)。いずれもフリー・オープンソース・ソフトウェア(FOSS)コミュニティの助言を受けて書かれ、フォント・デザイナーの考え方とコミュニティの理念の両立を目指している。

Debian Project、GPL3を詳細検査

1月16日に改定GNU General Public Licence(GPL3)の第1次草案が発表されたが、その会場にはDebianプロジェクトのメンバーも多数出席していた。DebianプロジェクトのリーダーBranden Robinsonをはじめとして、Don Armstrong、Benjamin Mako Hill、Bruce Perens、そしてボストン地域のDebianメンバー数名である。以来、Debianではこの草案についての議論が続いており、まだ意見の統一には至っていない。しかし、草案の細部の言い回しや含意について懸念を示す意見はあるものの、概ね肯定的に見ているようだ。