フリーソフトウェア業界にバグレポートで貢献するための秘訣

フリー/オープンソースソフトウェア(FOSS)の発展に寄与する方法の1つとして、これらのソフトウェアを実際に使って確認したバグその他の問題点をプロジェクトに報告し、開発陣によるコードの改善を陰ながら支援するという貢献方法がある。そしてFOSS系プロジェクトという、活気に溢れた無統制さで開発が進められている世界においても、テストを進めるための“より効率的な手法”というものは存在している。よって本稿では、こうしたプログラムの開発者やテストの達人たちから授けられた、ソフトウェアテスターとしての技能を磨くためのコツをいくつか紹介することにしよう。

ライブCD「Elive」のEは今やエレガントのE

EliveEnlightenmentウィンドウマネージャを採用したDebianベースのライブCD Linuxディストリビューションだ。Eliveはデスクトップアプリケーションを豊富に取り揃えた見た目の美しい環境を提供するということと、古いハードウェアでも効率良く動くということを目標としている。Eliveの開発はまだ完了したわけではないが、しかし1年以上前のバージョン0.3のリリース以来Eliveは大きく進歩している。Eliveはディストリビューションというものが肥大化することなくいかに美しいものになれるのかということを教えてくれる作品だ。

Linspire、CNRを汎用ツール化へ

Linspireは、1月23日、「CNR for all」ウェアハウスを新設する計画を発表した。計画が実現すれば、Linspire系以外のLinuxディストリビューションでもソフトウェアを簡単にインストールできるようになる。Linspireには、ソフトウェアのダウンロード、依存性の解決、アプリケーションの追加・削除が可能なワンクリック・インストール・プログラムClick ‘N Runがあるが、現在は、Linspire(商用ディストリビューション)とFreespire(フリー版)でしか利用できない。このツールのオープンソース・プラグインを提供し、Red HatおよびDebianベースのディストリビューションでも利用できるようにする計画だ。

バックポートの利用法:安定版ディストリビューション上で新規パッケージを実行する

安定性を最優先したシステムの運用を続けていると、アプリケーションの最新版がリリースされたのに対応性の問題から使用できない、というケースにしばしば遭遇する。だが、そこでくじけてはいけない。新規リリースされたパッケージを既存の旧版ディストリビューション用に“バックポート”(backport)し直した、いわゆるバックポート版を用いれば活路が開けることもあるからだ。

Dunc-Tank論争、未だ鳴りやまず

Dunc-Tankとは、非公式な団体という立場からDebianにおける特定の活動に資金を提供しようという運動だが、その最初の試みとして実際にリリースマネージャへの報酬支払いが行われたものの、結果的にリリース期限を守れなかったことや一部プログラマが活動意欲を喪失したことがあったため、その是非に関する論争が現在もDebianコミュニティの間で続けられているところである。

MicrosoftとNovellに、UbuntuまでもがAppleとDebianを後押し

はじめに――NovellとMicrosoftの提携については山ほど報道されている。要するに、Microsoftの顧客がNovellからLinuxを購入し自社のIT環境で使っても特許権侵害で訴えられる心配はなくなるということのようだ。ところが、世上の論評に対して、Novellは、今回の提携は批判されているような内容ではないとする公開書簡をCEO名で発表。しかし、Microsoftの声明によれば、その主張を額面どおりに受け取ることはできない、あるいは、間違いがあることになる。ともかく、何か問題があるようだ。こうした混乱に拍車をかけたのがMark Shuttleworth(Ubuntuの創設者)だ。Microsoftとの提携を嫌ってNovellと袂を分かちたいopenSUSE開発者にMicrosoftとは隔絶された場の提供を申し出たのだ。混迷の度は深まるばかり。こうした状況に、人はいざ知らず、私はDebianこそが私の使うべきGNU/Linuxディストリビューションであり、現在Linuxとフリーソフトウェアでは処理できない若干の作業はMac OSで行うべきだと思い始めた――

SPI、長年のドメイン名問題に終止符か

Software in the Public Interest(SPI)は、フリーのハードウェアとソフトウェアの振興に取り組むNPOである。Debianの公共の顔として最もよく知られる。ただし、比較的活動の停滞した数年の後、現在は活動を見直し、他のプロジェクトにまで手を広げつつある。先日開かれた11月のミーティングでSPI理事会は、参加が検討されているプロジェクトとの協議の状況、挫折が明らかなプロジェクトの削除、スペインにおけるDebianの商標問題など、さまざまな議題を話し合った。なかでも重要なのは、1998年以来のOpen Source Initiative(OSI)とのドメイン名を巡る紛争に次回のミーティングで決着を付けると決議されたことである。

Debianのリリースマネージャ、Etchの進捗を率直に語る

Debian憲章(Debian Constitution)にはリリースマネージャについての記述はないが、特にリリース準備の最終段階において、これほど影響力を持つ地位はDebianプロジェクトにはほとんどない。Steve Langasek氏とともにDebianのリリースマネージャを務めるAndreas Barth氏が最近、暫定的に12月上旬に予定されているEtchリリースの調整活動で忙しいなか、リリースプロセスの各段階、来るべきリリースの目標、役割を果たすにあたって直面している短期的および長期的な問題について語ってくれた。最悪の事態を危惧する一部の予想に反し、彼が話してくれたのは、しばしば賞賛されるオープンさを犠牲にすることなく順調な進展を見せるディストリビューションの様子だった。

FirefoxをめぐるDebianとMozillaの対立の背景

Debianの最新バージョンはEtchの名称で12月のリリースが予定されているが、同ディストリビューションに同梱するWebブラウザとしては、Mozillaが権利を所有するFirefoxを収録することが希望されている。この件に関するMozilla側からDebianに対する返答は、そうした形態でリリースする場合、同ソフトウェアの付属アートワークを外すことはできないという旨のものであった。なお法律関係の専門家によると、著作権法と商標法を正しく用いていれば、こうした問題はそもそもが生じなかったはず、ということになる。

プロジェクトリーダの罷免が提案されたDebian

Debianのプロジェクトリーダ(DPL)であるAnthony Towns氏について、罷免の投票が行われる可能性がある。問題となっているのは、Dunc-Tankへの関与についてだ。Dunc-Tankとは、Debian etchを12月初頭に予定どおりリリースできるよう、寄付を集めてDebianのリリース・マネージャに財政的支援を行うことを目的とした(OTP翻訳記事)非公式グループである。

報奨金制度の提案に起因する、Debian開発者の活動意欲に関する論争

現在、自らをDunc-Tankと名乗る開発者たちの集団が、特定のプロジェクトを完成させたDebian開発者に対して金銭的な報酬を支払うための準備を進めている。こうしたDunc-Tankによる活動の第一目的は、Debianの次期バージョンをスケジュールどおりにリリースさせることにあるのは分かるとしても、このアナウンスについて懸念されるのは、以前にもプライベートな議論として取り上げられたことのある問題、つまり「従来は個人的な動機から仕事を進めてきたフリーソフトウェア開発者に対し、唐突に金銭的な報酬が与えられるような事態になったらどうなるか」というものである。

CLIマジック:debootstrapによるDebian GNU/Linuxのインストール

Debian GNU/Linuxディストリビューションにはインストーラーが付属しているが、大方の初心者にとって、このインストーラーは少々扱いにくい。そのため、現在、Debian Etch向け新インストーラーの開発が進められている。しかし、その完成を待つことはない。既存のコマンドライン・ツールdebootstrapを利用すれば簡単にインストールできるのだから。

保守担当者の辞任で明らかになったDebianプロジェクトの問題

Debianプロジェクトの最も活発な開発者の1人だったMatthew Garrettの辞任により、同プロジェクトの運営方法に関するいくつかの問題に注目が集まっている。特に、Garrettは自身のブログにおいて、礼儀の欠落と意思決定の遅さを指摘しており、Ubuntuに比べてDebianに批判的な意見を述べている。UbuntuはDebianに由来するディストリビューションで、このところますます多くのDebian保守担当者がUbuntuを支持するようになっている。