Debian Etchの新しいインストーラ
今回のベータ版でも一部の機能は提供されず、安定しているとも限らない。要するに、実運用のためのインストールには使えないということだ。しかし、試用可能なレベルには達した。
そこで、使ってみることにした。インストーラのネット・インストール・バージョンをダウンロードし、そのISOイメージをCDに焼き、テスト用のマシンにセットした。
デフォルト・インストール
まず、デフォルト・インストール(GUIではない)を行った。ネット・インストール・バージョンには最小限のパッケージしか含まれていないので、ミラーサイトにあるパッケージを幾つか追加し、Debian Package Popularity Contestの参加オプションは選択せず、ソフトウェアの選択はStandard system上のDesktop Environmentとした。
以上の設定が終わると、ダウンロードが始まった。このオプションで必要となる600以上のパッケージが次々とダウンロードされていく。初めに所要時間約11分と表示されたが、ほぼ正確だった。メール・サーバーのタイプを聞いてきたので入力すると、ダウンロードされたパッケージのインストールが始まった。
CDをドライブにセットしてから約35分後、Debian Etch上のGNOME 2.1.4デスクトップが目の前に現れた。これには、ちょっと拍子抜けだ。悪名高きDebianインストールの質問攻めがなかったからだ。さて、次は、GUIインストーラだ。少しは頼もしくなっただろうか。
GUIインストール
今度は、ブートプロセスが始まるときのブート・プロンプトに「installgui」とタイプしてEnterを押した。パーティションはデフォルトのままにする。しかし、先に進む気配がない。と、気づいたのは、パーティション・テーブルの書き換えを許可するチェックボックス。これをオンにしなければ、このGUIは動かないのだ。確かに、頼もしい。
オプションはデフォルト・インストールのときと同じにした。所要時間約12分と表示され、今回も予測は正確だった。確認はしていないのだが、辞書の言語指定に関する質問がデフォルト・インストールのときよりも多かったようだ。ただし、全所要時間はどちらもほぼ同じだった。
パーティションの設定はデフォルトのままとしたので、今回は暗号化ファイルシステムの設定はない。これは次回のお楽しみ。
まとめ
このベータ版を見る限り、Etchインストーラは、Debian史上最も使いやすいものになりそうだ。それだけではない。デフォルト・インストールも、GUIと同じくらい、あるいはそれ以上に使いやすくなっている。しかし、どちらがいいかを見た目で評価すべきではない。インストーラは美術品ではないし、見た目は今後の開発で変わっていくだろう。インストールのしやすさに関する限り、すでに十分な水準に達している。
Ubuntuが「Debianのインストールは寡黙なユーザーには向かない」という意味のスワヒリ語だというのが本当なら、Etchのリリース後も私がUbuntuを使っているか疑問だ。私でさえ、Debianをインストールできるのだから。これまでDebianのインストールを敬遠していた方は、もうすぐ入手可能になるEtchとそのインストーラをお見逃しなく。Etchなら、気後れすることはないだろう。
NewsForge.com 原文