1年4か月ぶりのリリースとなる「Apache OpenOffice 3.4」登場

 Apache OpenOffice Projectは5月8日、オープンソースのオフィススイート「Apache OpenOffice 3.4.0」を公開した。OpenOffice.orgは2011年6月にApache Software Foundation(ASF)傘下となっており、ASFの下で公開される初のリリースとなる。

 OpenOffice.orgは米Sun Microsystemsが1999年に買収した独Star Divisionが開発したオフィススイート。2000年にオープンソース化された後はOpenOffice.orgプロジェクトおよびSunによって管理されていたが、2010年にOracleがSunを買収、その後はOracleの下で開発・リリースが行われていた。そして2011年6月初め、OracleはOpenOffice.orgのASFへの寄贈を発表、その後はApacheインキュベータープロジェクトとして開発が進められていた。その間、フォークとなる「LibreOffice」(The Document Foundation)も誕生しており、OpenOffice.orgからLibreOfficeに切り替えたディストリビューションも多い。Apache OpenOfficeに対しては、米IBMが「Lotus Symphony」スタンダロン版のコードベースを寄贈するとも発表している。

 今回のリリースは、ASF傘下で開発された初のリリースとなり、2011年1月に公開された「OpenOffice.org 3.3」以来のアップデートとなる。Apache OpenOfficeによると全世界に1億人以上のユーザーがおり、バージョン3.4は21社の企業の開発者が参加したという。

 特徴としては、ODF 1.2の暗号化サポート、スプレッドシート「Calc」におけるピボットテーブル、CSVエクスポートなどが強化された。暗号化方式についてはSHA1およびBlowfishに加え、AES256もサポートされる。Calcでは「データパイロット」機能の名称が「ピボットテーブル」に変更され、サポートするフィールド数の上限がなくなった。起動時間も高速化され、パフォーマンスも改善したという。

 また、ライセンスも変更された。これまではLGPLv3だったが、本リリースからはApache License 2が採用されている。

 ASF OpenOffice 3.4はソースコードのほか、Windows、Linux(RPMおよびDEB形式)、Mac OS Xに向けたバイナリも公開されている。プロジェクトのWebサイトより入手できる。

 プロジェクトでは今後、Lotus Symphonyからの機能の取り込みをはじめ、ユーザビリティや性能、対応言語の拡大などを予定しているという。

Apache OpenOffice Project
http://incubator.apache.org/openofficeorg/