オンラインアップデートが有効になった「LibreOffice 3.5」が登場
The Document Foundationは2月14日(ドイツ時間)、オープンソースのオフィススイート「LibreOffice 3.5」を公開した。オンラインアップデート機能が利用できるようになり、既存ユーザーは今後アップデート通知などを受け取ることができる。
2010年9月末に「OpenOffice.org」のフォークとしてプロジェクトが立ち上がって以来、3回目のメジャーリリースとなる。この16ヶ月の間に、毎月平均で80人の開発者が開発に参加し、合計で13000件のコードをコミットしたという。
LibreOffice 3.5は、2011年6月にバージョン3.4をリリースして以来のアップデートとなる。ワープロソフト「Writer」ではヘッダーとフッター、改ページなどのユーザーインタフェイスが改善され、文字数カウント機能ではリアルタイムでのカウントが可能となった。またタイポグラフィック関連機能も改良され、より見栄えの良い文書を作成できるという。文法チェック関連も強化されており、英語、ハンガリー語、ロシア語版では文法チェッカー「LightProof」が導入されている。
表計算の「Calc」では最大10000シートまでの文書作成をサポートするようになり、シートの挿入などの操作も高速になった。オートフィルタポップアップが新しくなり複数のセクションに対応したほか、「BITAND」や「BITOR」、「SEC」、「CSC」、「SECH」、「CSCH」といったODF 1.2の新しい関数もサポートされる。データベース「Base」では、PostgresSQLのネイティブドライバー(現在ベータ版)が統合された。
プレゼンテーションの「Impress」と図形描画の「Draw」では、「Microsoft Visio」からのインポートが可能となった。PPT/PPTXファイルのインポートでも、カスタム図形に対応するなどの改善が加わった。カラーパレットやマルチメディアファイルの埋め込みも可能となった。
全体として安定性を強化したほか、暗号化アルゴリズムを変更、ODF 1.2およびODF 1.2拡張ファイルフォーマットのパスワード保護ファイルにAES-256を用いるようになった。ユーザーに最新版のリリース情報を通知するオンラインアップデート機能も有効になった。
LibreOffice 3.5はWindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。開発チームでは3.5はパワーユーザー向けとしており、保守的なユーザーは3.4系の利用を継続するようアドバイスしている。
The Document Foundation
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