多くの新機能が追加された「LibreOffice 4.0」登場、OpenOfficeとの違いが明確に

 The Document Foundationは2月7日(ドイツ時間)、オープンソースのオフィススイート「LibreOffice 4.0」をリリースした。OpenOffice.orgからフォークしたプロジェクトとして2010年にスタートして以来初となるメジャーアップデートとなる。

 LibreOfficeはOpenOffice.orgの主要開発者らがOpenOffice.orgをベースに立ち上げたオープンソースのオフィススイート開発プロジェクト。The Document Foundationという非営利団体の下で運営されている。文書のフォーマットにはODFを採用、100以上の言語に対応する。ライセンスはLGPLv3。なお、OpenOffice.orgは現在、Apache Software Foundationの下で「Apache OpenOffice」としてプロジェクトが進められている。

 最新版ではコードをクリーンにし、数百万行のコードの削除と追加が行われたという。ソースコードの品質も向上しており、LibreOfficeとしてスタートした際にコミュニティが設定した目標を反映した初のリリースになるとのこと。本リリースではAPIが大幅に変更されており、OpenOffice.orgからの分岐が明確になった。XML UI定義ベースのグラフィックスタックも導入し、新しいUIウィジェットへの布石を敷いた。

 機能面では、AlfrescoやIBM FileNet P8、Microsoft SharePoint 2010、Nuxeo、OpenText、SAP NetWeaver Cloud Serviceといったドキュメント/コンテンツ管理システムの連携機能が新たに搭載されている。CMIS(Content Management Interoperability Services)を利用してドキュメントの共有や公開が行えるという。また、Microsoft Officeで採用されているDOCX形式やRTF形式のサポート改善なども行われている。

 UI関連ではMozillaの「Firefox Persona」(Firefox Themes)をサポート、Firefoxブラウザと同じように自分の好みのテーマでカスタマイズできるようになった。また、一部のダイアログウィンドウではGTK+3ベースのXMLファイルフォーマットで作成されるようになった。これは「widget layout」と呼ばれており、翻訳が容易になりコードもシンプルになるという。

 またMicrosoft Publisherファイルのインポートが可能になり、Microsoft Visioについては1992年の「Visio 1.0」から2012年にリリースされた「Visio 2013」まで、全てのバージョンに対応した。

 個々のアプリケーションでも新機能や機能強化が加わっている。ワープロソフト「Writer」では、DOCXおよびRTFドキュメントのインク機能を利用した注釈のインポートと表示が可能となった。選択したテキスト範囲にコメントを付けられるようになり、異なるページスタイルを利用することなく最初のページだけ異なるヘッダーとフッターを設定できるようになった。

 表計算「Calc」では、ODSドキュメントのインポートをはじめ、さまざまな面で性能を強化した。ODFドキュメントのサイズ制限は2GBから4GBに拡大され、グラフを画像としてエクスポートする機能などいくつかの新機能も追加されている。

 このほか、描画ソフト「Draw」やプレゼンテーションソフト「Impress」でも多数の機能が強化されている。Impressでは、Androidスマートフォンより遠隔操作できるアプリ「Impress Remote Control App for Android」も提供する。現在一部Linuxのみでのサポートとなるが、今後はほかのLinuxやMac OS X、Windowsでもサポートされる予定だという。

 LibreOffice 4.0がサポートするプラットフォームはWindowsやMac OS X、Linuxなど。バイナリやソースコードはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

LibreOffice
https://www.libreoffice.org/

The Document Foundation
http://www.documentfoundation.org/