米Citrix、「CloudStack」をApache Software Foundationに寄贈

 米Citrix Systemsは4月3日(米国時間)、非営利のオープンソース団体Apache Software Foundation(ASF)にプラチナスポンサーとして出資することを発表した。同時に、自社のクラウド運用基盤「CloudStack」をASFに寄贈することも発表した。CloudStackは今後、ASFのインキュベーションプロジェクトとして開発されることになる。

 CloudStackは、Citrixが2011年7月に買収した米Cloud.comのクラウド運用ソフトウェア。Javaで書かれており、Infrastracture as a Service(IaaS)環境を構築できる。VMwareやOracle KVM、XenServer、Xen Cloud Platformなどのハイパーバイザーをサポートし、可用性、拡張性などを特徴とする。Cloud.comはオープンソース版とエンタープライズ版の両方で展開していたが、Citrixは2011年8月、2つのバージョンを統合してGPL 3で公開した。

 ASFではインキュベーションプロジェクトとしてスタートすることになる。これにあわせてCitrixは最新版「CloudStack 3」をApache License 2.0で公開することを明らかにしている。

 Citrixによると、CloudStack3万人以上のコミュニティメンバーを持ち、同技術を利用した運用段階にあるクラウドは数百単位にのぼるという。同社は「Apache Hadoop」や「Apache Hive」、「Apache Cassandra」などのASFプロジェクト成功例を挙げ、ASFプロジェクトとなることで、活発なコミュニティ活動により機能開発や受け入れが進むとの狙いを語っている。今後もCloudStackの投資を継続し、開発やコミュニティ支援、マーケティングなどを展開するとしている。Citrixはクラウド分野で、クラウドインフラ構築ソフト「OpenStack」にも参加している。

 Citrixは同日、ASFにプラチナスポンサーとして出資することも発表した。ASFのプラチナスポンサーは、米Facebook、米Google、米Microsoft、米Yahoo!などで、これに加わることになる。

米Citrix Systems
http://www.citrix.com/

Apache Software Foundation
http://apache.org/

CloudStack
http://www.cloudstack.org/