ASF、クラウド構築プラットフォーム「CloudStack」をトップレベルプロジェクトに昇格させることを発表

 Apache Software Foundation(ASF)は3月25日(米国時間)、インキュベーター(正式公開に向けた体制構築段階)プロジェクトであった「Apache CloudStack」をトップレベルプロジェクト(TLP、正式プロジェクト)に昇格させることを発表した。

 CloudStackは、米Citrix Systemsが2012年4月にASFに寄贈したInfrastructure as a Service(IaaS)型のクラウドプラットフォーム。プライベートクラウドの構築に利用できるほか、ホスティング企業がパブリッククラウドを構築したり、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド環境の構築も行える。当初は米ベンチャー企業Cloud.comが開発していたが、Citrixが2011年7月に同社を買収、傘下に収めた。その後CitrixはCloudStackをASFへ寄贈し、同時にASFのプラチナスポンサーとなっている。なお、Cirtixは、同じくオープンソースのクラウドプラットフォーム開発プロジェクト「OpenStack」にも参加していた。

 CloudStackはASFのインキュベータープロジェクトとしてスタートしてから1年でTLPに昇格することとなる。ASFはこれについて、「ASFの能力主義的な原則およびプロセスの下でコミュニティおよび開発が統制されている」と理由を説明している。

 Apache CloudStackは小規模から大規模クラウドを構築可能で、3万以上の物理ノードをサポートできるという。主なターゲットはサービス事業者や大企業で、サービス事業社ではオンデマンドのクラウドコンピューティングサービスに、企業では従業員向けのプライベートクラウドの設定に利用されていると報告している。

 現在のバージョンは4.0.1、ライセンスはApache License 2.0。

Apache CloudStack
http://incubator.apache.org/projects/cloudstack.html