「OpenStack 2012.1(Essex)」登場、大規模プロジェクト対応を強化
オープンソースのクラウドプラットフォーム「OpenStack」開発チームは4月5日(米国時間)、最新版となる「OpenStack 2012.1(Essex)」を公開した。前バージョンで加わった新プロジェクト「Horizon」および「Keystone」がコアプロジェクトとなったほか、既存のコアプロジェクトにも新機能や機能強化が行われている。
OpenStackは、プライベートおよびパブリックなクラウドインフラを構築できるオープンソースのIaaS(Infrastructure as a Service)構築スタック。当初は米RackSpaceと米航空宇宙局(NASA)によって開発が行われ、2010年10月に最初のバージョンが公開された。現在では米Cisco Systems、米Dellなど多数の企業がプロジェクト参加している。
バージョン2012.1は第5回目のリリースとなり、品質、使い勝手、拡張性にフォーカスした。55社・200人以上の開発者が開発に参加し、約150の新機能が加わったという。これにより大規模なプロジェクトで使用するベースとして成熟段階に達した、と開発チームは位置付けている。
OpenStack 2012.1は、仮想プライベートサーバー向けプロビジョニング/管理システム「OpenStack Compute」(Nova)、ストレージシステム「OpenStack Object Storage」(Swift)、イメージサービス「OpenStack Image Service」(Glance)、管理ポータル「OpenStack Dashboard」(Horizon)、認証管理機構「OpenStack Identity」(Keystone)という5つのコアプロジェクトで構成される。このうち、HorizonとKeystoneは前バージョンで加わった新プロジェクトで、本バージョンでコアプロジェクトとなった。
各コアプロジェクトで新機能や機能強化が加わった。たとえば、NovaではDashboardとIdentityとの統合、安定性が強化された。HPCのサポート、Nexenta、SolidFire、NetAppのストレージソリューションのサポートなども加わっている。Swiftは、データ安全性やコンプライアンス関連で新機能が導入され、ポリシーに基づきオブジェクトの有効期限を設定するなどのことが可能となった。全体として、HorizonとKeystoneの統合が進んでいる。
開発チームは同時に、ネットワーク管理自動化フレームワーク「Project Quantum」の開発がスタートしたことも報告している。ネットワーク接続をサービスとして提供するプラグインベースのサービスとなる。
OpenStack 2012.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。英Canonicalが4月末にリリース予定の「Ubuntu 12.04」にも含まれる予定だ。
OpenStack
http://www.openstack.org/