「Apache OpenOffice 3.4」は2012年第1四半期にリリースへ、ASFが公開書簡で明らかに
非営利団体Apache Software Foundation(ASF)は12月20日、現在ASF傘下でインキュベーションプロジェクトとなっている「Apache OpenOffice」のビジョンを説明する公開書簡を発表した。最新版となるバージョン3.4は2012年第1四半期に公開する予定という。
Apache OpenOfficeは、米OracleがASFに寄贈したオフィススイート。ASFのルールに従いインキュベーションプロジェクトとして発足、プロジェクトが進められている。OpenOffice.orgはかつては米Sun Microsystemsが主導していたプロジェクトで、Oracleによる同社の買収によってOracle傘下となった。また、プロジェクト運営の方針を巡り一部の開発者が離れ、フォークプロジェクト「LibreOffice」(The Document Foundation)を設立するという事件もあった。
Apacheが公開した書簡は、OpenOfficeだけでなく他オフィススイートでもサポートが進んでいるオフィス文書フォーマット「Open Document Format(ODF)」エコシステムに向けたもの。OpenOfficeプロジェクトは歴史や幅広いコミュニティがあることから、Apache OpenOfficeではすべての参加者に向けた単一のビジョンを定義することは難しいと述べ、中立でパワフルなコラボレーションの機会を提供するという立場を模索するという。また、OpenOfficeではApacheライセンスを採用しており、ソースコードの利用や配布に関する制限が緩い。これはさまざまなコントリビュータやユーザーがいるODFエコシステムにとって有益であるとも述べている。
これらに加え、OpenOffice.orgと関連するすべての商標は外部者は自由に使用できないこと、OpenOffice.orgなどの商標を持つソフトウェアをリリースできるのはASFのみであること、サードパーティがASFやASFプロジェクトに代わって寄付を募ることはできないことなども警告している。なお、10月に独Team OpenOffice.orgが「OpenOffice.orgを殺すわけにはいかない」として、基金調達キャンペーンを行っていた。ASFは公開書簡中、ASFまたはOpenOffice.orgからのものではないメッセージは、公式なものではないと確認している。
Apache OpenOfficeは2012年第1四半期、Apache OpenOfficeプロジェクトとして初のリリースとなるバージョン3.4を公開する予定だ。
Apache Software Foundation
http://www.apache.org/
Apache OpenOffice.org
http://incubator.apache.org/openofficeorg/