米Microsoft、JavaScript拡張ライブラリのプロトタイプを公開、同時にGoogleの「Dart」を批判
米Microsoftは11月22日、JavaScript向け新ライブラリのリファレンス実装プロトタイプを公開した。MathおよびString、Numberライブラリと、Globarization APIを拡張するものとなる。先に開かれた標準化グループの会合で披露したもので、一般公開することで広くフィードバックを求める。また、同時に公式ブログで米Googleの「Dart」についても批判している。
公開されたプロトタイプは11月中旬、米Appleの本社で開催されたTC39の会合で披露したもの。TC39は国際的な標準化団体であるEcma Internationalの作業グループで、ECMAScriptの標準化などを行っている。Microsoftはこれらのプロトタイプを「HTML5 Labs」というWebサイトで公開している。
Microsoftが公開したのはMathおよびString、Numberライブラリを拡張するものと、「Globarization API」と呼ばれるもの。Mathにはcosh、log10、sinh、tanhなどを、StringにはstartsWith、endsWith、containsといった関数が含まれる。Microsoftによると、これらはC++や.NET、Pythonなどには以前から含まれる基本的な機能だが、JavaScriptには欠けていたという。
Globalization APIは国際化機能を実装するもので、「Number Format」および「Date Format」、「Collator」の3種類を公開した。JavaScriptでは日付や通貨のフォーマットが提供されないため、ネイティブアプリケーションと比較して国際化対応が難しかったとMicrosoftは説明している。
Microsoftはこれらプロトタイプ公開と同時に、JavaScriptはWebの改善に貢献する技術であり、今後も標準の進化にコミットしていくと記している。具体的には、ネイティブブラウザプラットフォームとの統合、大規模なサイトの読み込み、実行とレスポンスの性能などを今後の取り組み事項として挙げている。
同時に、Googleが10月に発表したDartについてもコメントしている。DartはJavaScriptをベースに多くの拡張を加えた言語で、JavaScriptとは互換性がない。MicrosoftのJavaScriptチームは「JavaScriptには根本的な欠点があり、課題に対応するには言語仕様とランタイムの両方でJavaScriptを完全に離れる必要がある、とGoogleは捉えている」とし、これには同意できないと批判している。
米Microsoft
http://www.microsoft.com/