米Joyent、OpenSolaris由来のカーネルにKVMを移植して統合した「SmartOS」を発表

 Node.jsの支援やクラウド関連ソフトウェアを手がける米Joyentは8月15日(米国時間)、KVMをサポートしたクラウドOS「SmartOS」を発表した。OpenSolarisからフォークしたOS環境「illumos」ベースのカーネルにLinux由来の仮想化システム「KVM」を組み合わせたのが特徴で、ZFSやDTraceといったSolaris由来の技術とともにKVMを利用できる。

 SmartOSは、「illumosをベースにBSDパッケージ管理システムとGNUツールチェーンを組み合わせたディストリビューション」とのこと。SmartOSを利用することで、エンタープライズ級のストレージを備えた信頼性の高いシステム上で仮想マシンを実行できるという。

 SmartOSの特徴としてはコンテナベースの仮想化システムであるZonesとカーネル組み込みの仮想化技術KVM、ファイルシステムZFS、そしてシステム分析機能であるDTraceが挙げられている。KVMはLinuxカーネルに組み込まれた仮想化機能として開発されているが、これをOpenSolarisベースのシステムへ移植したものが搭載されている。

 ZonesやKVMといった仮想化システム上でLinuxやWindowsなどを稼働させることで、これらの環境が必要なアプリケーションをSmartOS上で利用できる。また、Solaris由来の技術であるDTraceやZFSなどが利用できるのも特徴。開発者は性能分析や拡張機能の各種ツールを利用して、データ中心のリアルタイム(DIRTy:Data-Intensive Real-Time)アプリケーションを実装したり、仮装マシン上でレガシーなアプリケーションを実行しつつ、最新のWebアプリケーションを並列実行させることも可能であると説明している。

 SmartOSはソースコードのほか、ライブ版ISOイメージも提供されており、同社のWebサイトなどからダウンロードできる。

米Joyent
http://www.joyent.com/

SmartOSプロジェクトページ
https://github.com/joyent/smartos-live