Oracle、Oracle Solaris 11をリリース

 米Oracleは11月9日、「Oracle Solaris 11」をリリースしたことを発表した。仮想化機能やクラウド対応などが特徴となる。SPARC T4やIntel AVXサポート、セキュリティやネットワーク機能の改善など多くの変更点が含まれる。

 Oracle Solarisは、Sun Microsystemsが開発していたSunOSを起源とするUNIX OS。2010年にOracleがSun Microsystemsを買収したことにより、Oracleの一製品となった。SPARCおよびx86アーキテクチャに対応する。

 Oracle Solaris 11では仮想化機能やクラウド対応などが特徴で、Oracleは「初のクラウドOS」と主張している。

 新機能としては、ネットワークベースのパッケージ管理システム「Image Packaging System(IPS)」や、システム設定管理ツール「Service Management Facility(SMF)」における管理機能の強化などが挙げられる。また、ゾーンと呼ばれるOS環境を複数作成して同時に利用できる「Oracle Solaris Zones」も強化され、OSに密に統合された。ゾーンの作成や管理が容易になり、またリソース管理やモニタリングといった管理を行う強力な機構も提供されるとのこと。

 また、ユーザー管理機構も変更された。UNIXシステムではスーパーユーザー権限を持つrootユーザーで各種管理操作を行うのが一般的だったが、Oracle Solaris 11では「ロール」と呼ばれる機構を採用、一般ユーザーにrootロールを割り当てることでrootユーザーでログインすることなくスーパーユーザー特権が必要な管理作業を行えるようになっている。TPMチップのサポートやラベル付きIPsec、「Cryptographic Framework」という暗号化フレームワークの強化など、セキュリティ関連機能も強化されている。

 そのほか、ネットワーク関連機能やファイルシステムZFS、I/O性能などの改善やSPARC T4サポート、インテルの新命令セット「Advanced Vector Extensions(AVX)」サポートなど、多数の改良点が含まれている。

 Oracle Solaris 11はOracleのWebサイトで配布されており、インストールCDのISOイメージなどが公開されている。これらは開発目的でのみ使用できる「Oracle Technology Network Developer License」で配布されており、本番運用での利用は別途正規ライセンスの購入が必要。

Oracle Solaris 11
http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solaris11/overview/index.html

Oracle
http://www.oracle.com/