「DragonFly BSD 3.0」が登場、マルチコアサポートを強化
「DragonFly BSD」開発チームは2月22日、最新版「DragonFly BSD 3.0.1」を公開した。SMP関連の強化や独自のファイルシステムHAMMERの強化などが特徴となる。
DragonFly BSDはFreeBSD 4系からフォークして開発が進められているBSD系OS。FreeBSDとは異なる方向に機能拡張や変更が続けられており、独自の高性能ファイルシステム「HAMMER」や仮想カーネル、SSD対応、トークンを使った同期機構などを特徴とする。
DragonFly BSD 3.0は、2011年4月に公開されたバージョン2.1以来のメジャーアップデートとなる。開発チームでは、バグが原因でスケジュールよりリリースが遅れたと説明している。
DragonFly BSD 3.0ではSMP環境における仮想メモリのパフォーマンス改善が行われた。PostgreSQLやMySQLなどを使ったベンチマークで実際の性能向上が見られたという。また、ACPI+の処理が改良され、SMPカーネルがすべての環境で正常に動作するようになった。そのため、デフォルトでSMPカーネルがインストールされるようになっているという。
独自のファイルシステムHAMMERの強化も継続しており、時分割(time domain multiplexing)手法を導入した。負荷の多い状態でのスループットが大きく改善しているという。また、メモリが少ない環境での動作も改善されており、RAMが256MB程度のシステムでも動作するという。
これらに加え、暗号化ツールとして知られる「TrueCrypt」と100%互換のディスクボリューム暗号化ツール「tcplay」も追加された。
DragonFly BSDはISOイメージおよびブータブルなUSBメモリイメージの形で提供されており、同Webサイトなどからダウンロードできる。
DragonFly BSD
http://www.dragonflybsd.org/