英Canonical、新UI「Unity」を採用した最新版「Ubuntu 11.04」リリース
英Canonicalは4月28日(英国時間)、最新のLinuxディストリビューション「Ubuntu 11.04」(Natty Narwhal)を公開した。新UI「Unity」を採用するなど数々の強化や新機能を盛り込み、「Microsoft Windows」の代替を目指す。
最新版は、Linuxカーネル2.6.38.2を土台とする。先に発表していた通り、本バージョンよりUbuntu Netbook Editionを統合したデスクトップ向けの「Ubuntu」とサーバー向け「Ubuntu Server」の2構成となる。
デフォルトのデスクトップUIでは、GNOME Shellに代わって自社開発のUnityを採用した。画面左に一列表示されるランチャーには、ホームフォルダ、主要なアプリケーション、検索機能が並び、アプリを1クリックで起動したり、切り替えるなどのことができる。ラウンチャーには、複数のウィンドウとアプリを容易に管理できるワークスペースもある。画面上部左にあるUbuntuアイコンをクリックするとDash画面が起動、これを利用してアプリやファイルを検索でき、よく使うファイルに高速にアクセスできる。Unityはグラフィックカードを自動判別し、対応しない場合は従来のUIとなる。Canonicalは2012年4月に公開する次期LTSでもUnityを採用するとしている。
アプリ管理のUbuntu Software Centreでは、Dashとの統合のほか、評価やレビューなどの機能が加わった。デフォルトテーマのAmbianceも改善したという。オンラインストレージ「Ubuntu One」も新しいコントロールパネルなどの強化が加わった。
アプリケーションでは、Firefox 4を初め最新のものがバンドルされている。オフィススイートはOpenOffice.orgに代わってLibreOffice 3.3.2が、オーディオ再生ではRhythmboxに代わって「Banshee Media Player 2.0」が採用された。このほか、X.org 1.10.0やShotwell 0.9.2などを含む。
Ubuntu Serverではクラウドにフォーカスした機能強化が行われた。Amazonのパブリッククラウド互換のプライベートクラウドを構築できるEucalyptusベースの「Ubuntu Enterprise Cloud」のほか、オープンソースのクラウドスタック「OpenStack Cactus」のプレビュー版も搭載する。
CanonicalはUbuntu 11.04のリリースに合わせ、Webサイト(ubutnu.com)もリニューアルした。2010年12月に行ったユーザー調査に基づき、新規ユーザー訴求も視野に入れ、Ubuntuに関する情報を入手しやすくした。Webサイトでも、デスクトップとネットブックの各セクションが統合されて「Ubuntu」となっている。
英Canonical
http://www.canonical.com/
Ubuntu.com
http://www.ubuntu.com/