Linus Torvalds氏、次期版Linuxカーネルを「Linux 3.0」とすると発表
Linux Torvalds氏は5月29日、現在リリースされているLinuxカーネル(2.6.39)に続くリリースのバージョン番号を「3.0」とすることを発表した。同時にLinuxカーネル3.0の初のRC(リリース候補)も公開している。
Torvalds氏は5月23日にLinux Kernel Mailing List(LKML)にて、Linuxカーネル 2.6.40として開発が進んでいた次期版のマージウインドウ短縮を警告するとともに、バージョン番号の変更を提案していた。その後、2.8とするか3.0とするかなど、LKMLで議論が続いていた。
今回の3.0のRCリリースにより、Torvalds氏は次のリリースにおけるバージョン番号として3.0を選んだことになる。Torvalds氏は「Linux 3.0-rc」という件名のLKMLで、「ぐっと我慢して、次期版を3.0と呼ぶことに決定した」と記している。これにより、2003年に始まった2.6系の新規開発は収束に向かうこととなる。Torvalds氏はまた、20周年に近い時期にリリースとなることが「自分にとっては十分な言い訳になる」とも述べている。
なお、3.0系ではバージョン番号の3桁目を安定版リリース用とするため、次にリリースされるLinuxカーネルのバージョン番号は「3.0.0」ではなく「3.0」になるとのこと。3.0の次のメジャーアップデートは「3.1」「3.2」……と続くとのことで、それと平行して安定版の「3.0.1」「3.0.2」……がリリースされるとのこと。
カーネル3.0の内容については「大きな変更はまったくない」とし、「ABIの変更もなく、APIも変更なし。大きな新機能もない」とTorvalds氏。ドライバーのアップデート、VFSのクリーンアップ、いくつかの仮想マシンの修正など「いつも通りのゆっくりとした進化」が予定されているようだ。
Torvalds氏は、6月1日~3日に東京で開催される「LinuxCon Japan 2011」に出席する。この出張のため、カーネル3.0ではマージウインドウを短くし、重要な修正しか入れないとしながらも、「単に番号が新しいだけでなく、よいカーネルにしよう」とコミュニティを鼓舞している。Linux 3.0は約2ヶ月後に登場する見込みだ。
LKML
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