Emacs 23.2リリース、入力補完やクラスブラウザなどを備えたプログラミング支援ツール「CEDET」を標準搭載

 GNU Emacs開発チームは5月8日、オープンソースのテキストエディタ「GNU Emac 23.2」をリリースした。クラスブラウザや入力補完機能などを備えたプログラミング支援ツール「CEDET」の導入などが特徴となる。

 GNU EmacsはRichard Stallman氏らが作成したオープンソースのテキストエディタ。プログラミング言語Lispの方言である「Emacs Lisp」を用いて機能を柔軟に拡張できる点が特徴で、GPLの下で公開されている。

 Emacs 23.2は2009年7月以来のアップデート。大きな変更点としては、プログラミング支援ツール「CEDET(Collection of Emacs Development Environment Tools)」が標準で搭載されるようになったことが挙げられる。CEDETはVisual StudioやEclipseといった統合開発環境が備えるプログラミング支援機能をEmacs向けに提供するツールセットで、ファイル管理ツールやクラスブラウザ、Makefile作成ツール、コンパイラ実行スクリプト、入力補完/支援機能、ヘルプ/リファレンス参照機能、自動コード生成、UMLダイアグラム作成機能などを提供する。

 また、最大バッファサイズが2倍になった(一般的な32ビット環境であれば最大512MB)ほか、Mac OS X向けの新たな文字エンコーディング「utf-8-hfs」の追加、シェルコマンドを非同期で実行する新コマンド「async-shell-command」の追加などが行われている。モード/パッケージ周りの変更点としては、新たにJavaScript編集用モードである「js.el」や音楽プレーヤーのフロントエンド「mpc.el」、ハイライト表示されたEmacsバッファをHTMLに変換する「htmlfontify.el」などが追加されたほか、DiredやGDB-UI、Grep、LaTeXといったモードの機能強化/仕様変更が行われている。

GNU Emacs
http://www.gnu.org/software/emacs/

CEDET
http://cedet.sourceforge.net/