JavaScriptをObjective-C風に拡張した「Objective-J」を利用するWebアプリケーションフレームワーク「Cappuccino 0.8」登場
米280 Northは4月7日、オープンソースのアプリケーション開発フレームワーク最新版「Cappuccino 0.8」を公開した。「Objective-J」言語をベースとしたアプリケーション開発フレームワークで、前バージョンから10万行のコードを書き換え、最新機能や既存機能の強化を図った。同社Webサイトよりダウンロードできる。
Obejective-JはJavaScriptをベースに、Objective-C風のクラス機構やメッセージング機構を追加したプログラミング言語。「@implementation」キーワードでクラスの宣言が可能なほか、次のようなObjective-Cと同様の文法でオブジェクト指向プログラミングが行える。
@implementation Person : CPObject { CPString name; } - (void)setName:(CPString)aName { name = aName; } - (CPString)name { return name; } @end
Cappuccinoには米AppleがMac OS Xなどで採用している「Cocoa framework」やGNUstep(OPENSTEP/Cocoa互換ライブラリ)の主要なAPIが実装されており、HTMLやCSSの知識がなくともWebアプリケーションを作成できるという。またJavaScriptとの互換性も保たれており、既存のJavaScriptコードはそのままObjective-Jのコードとしても実行できるとのこと。
Cappucinoで作成したWebアプリケーションの実行に特別なランタイムは不要で、Objective-Jで記述されたコードはJavaScriptで実装されたObjective-Jランタイムで解釈・実行される。対応ブラウザはInternet Explorer 7以上、Firefox 2以上、Safari 3以上、Google Chrome、Opera 9以上。CappuccinoとObject-Jは280 Northがプレゼンテーションソフト「280 Slides」用に開発した技術で、2008年にLGPLの下で公開された。
バージョン0.8では、テーブルビュー「CPTableView」「CPOutlineView」、画像をを1ファイルに自動的にまとめる「Automagic Image Spriting」などが新機能として加わった。Cocoaで利用されるnibやxibといったリソースファイルをCappuccino用のcib形式に変換するnib2cibもアップデートされ、ドラッグ&ドロップでテーブルビューを作成可能となるなど、容易に利用できるようになったという。
開発者によると、レポジトリからの構築、あるいは既存のCappuccinoアプリの構築や最適化を行う際に「Rake」などのRubyツールに依存していたのが、最新版より外部依存関係がなくなったという。APIは前バージョンからほとんど変わっていないので、容易にアップグレードできるとのこと。
米280 North
http://www.280north.com/
Cappuccino.org
http://cappuccino.org/