EUが米OracleのSun買収を承認、「PostgreSQLが代替になりえる」

 米Oracleによる米Sun Microsystemsの買収について、Sun Microsystemが傘下に持つMySQLを焦点に独占禁止法調査を続けていた欧州委員会(EC)は1月21日(ベルギー時間)、取引を承認することを発表した。Oracleは無条件での承認を受け、27日に今後の戦略や計画を発表する。

 欧州連合の執行機関であるECは2009年9月、同年4月にOracleが発表したSun買収計画について詳細な独占禁止法調査を開始した。問題は、SunのオープンソースデータベースであるMySQLを、最大手のデータベースベンダーであるOracleが所有することになる点。ECは「経済環境もあり、オープンソースソフトウェアは現実的な選択肢となっている」とし、買収後のMySQLの将来に懸念を示していた。

 Oracleはこれに対し、12月に「10のコミット」として買収後のMySQLの計画を発表、今後もGPLの下で開発を進めること、独立したアドバイザリボードの設置などの計画を明らかにした。

 ECは承認の背景として、Oracleが示した10のコミットへの評価のほか、競合となるオープンソースデータベースのPostgreSQLが信頼できる選択肢となり得ること、MySQLのフォークの開発が進み、競争が活性化していること、ハイエンドではMySQLとOracleは近接した競合関係に無い点などを挙げている。

 OracleのMySQL取得を巡っては、設立者でオリジナルコードの作者であるMichael “Monty” Widenius氏らが反対しており、オンライン署名キャンペーン運動も展開されている。Richard Stallman氏と連名でECに買収反対の書簡を送った英国のデジタル権利団体Open Rights Groupは、フォークの開発は現実的な解決策にならないなどの見解を示していた。

欧州連合(EU)
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