PostgreSQL 9.0 ベータ1リリース、レプリケーション機能の強化や多数の新機能を搭載
PostgreSQL開発チームは4月29日、「PostgreSQL 9.0」ベータ1を発表した。より柔軟なレプリケーションを可能にする「ホットスタンバイ」や「ストリーミングレプリケーション」など、多数の新機能が追加されている。
PostgreSQL 9.0では、レプリケーション機能の強化や権限設定機能の使い勝手の向上、「Anonymous blocks」機能など、多くの新機能が実装されている。最大の特徴はホットスタンバイとストリーミングレプリケーションと呼ばれる機能で、これらを組み合わせることでシングルマスタ・マルチスレーブ構成を容易に実現できるようになる。
ホットスタンバイは、待機サーバーでリードオンリーのクエリを処理できるようにする機能。 PostgreSQLには主サーバーと同期して動作する待機サーバーを用意し、主サーバーで障害が発生した際に主サーバーを待機サーバーへ切り替える「ウォームスタンバイ」などと呼ばれる構成を取ることができる。ホットスタンバイはこの待機サーバーで一部のクエリを実行可能にするもので、読み出しアクセスの負荷軽減が期待できる。
また、ストリーミングレプリケーション機能は主サーバーと待機サーバーの間でトランザクションログを操作単位で転送する機能。より粒度の細かい同期が可能になり、主サーバーと待機サーバーとの間の遅延を小さくできる。
そのほか、テーブルに対する新たな制約である「EXCLUDE」の実装といったSQL構文の強化や、LISTEN/NOTIFYによるメッセージ送受信機能の強化と性能向上、利用されていないJOINを自動削除する最適化機能など、多数の機能強化も行われている。また、新たに64ビット版Windows版のサポートも行われた。
PostgreSQL 9.0ベータ1のソースコードやWindowsインストーラー、バイナリはPostgreSQLのWebサイトにて公開されている。
PostgreSQL
http://www.postgresql.org/