米Oracle、MySQLへのコミット計画を発表――GPL継続、デュアルライセンス体制を維持
米Oracleは12月14日(米国時間)、Sun Microsystemsの買収によって取得されるMySQLについて、取得後の計画を「10のコミット」として発表した。ストレージベンダー向けの規約を現在より緩和するなど、コミュニティへの懸念を受けて譲歩を示した。
Oracleが計画中の米Sun Microsystems(MySQLの親会社)の買収については、オープンソースプロジェクトであるMySQLの存続を懸念して欧州委員会(EC)が調査を進めている。OracleはECに方針を示すことを求められており、14日はその提出期限だった。
10のコミットは、1)MySQLの「Pluggable Storage Engine Architecture」の保守と提供の継続、2)ストレージベンダーによるPluggable Storage Engine ArchitectureのAPI実装に対し、GPLでの公開を義務付けないこと(著作権の非主張)、3)現在商用ライセンスを有するストレージベンダーに、これまでと同じ条件でライセンスを延長提供(2014年12月10日まで有効)、4)MySQLの強化とGPLを継続、10)有料サポートを利用するエンドユーザーおよび組み込み顧客は年単位または複数年単位で契約更新を選択できる、など。中でも2)は、現在SunはGPL公開を義務付けていることから、大きな改善となる。
また、ストレージベンダーと顧客の2種類でアドバイザリボードを立ち上げ、ガイドラインの提供や開発優先事項へのフィードバックを得るという。この約束は、欧州だけでなく世界的なもので、期間は取引完了後5年としている。
ECは同日、Oracleと建設的な協議を進めているとする声明文を発表、Oracleの10のコミットを評価した。
MySQLを巡っては、オリジナルコードの作成者、Michael “Monty” Widenius氏が12日、ユーザーにOracle取得反対の電子メールをECに送るよう呼びかけていた。また、フランスのオープンソースERPベンダーNexediが、MySQL買収を提案している。
米Oracle
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