EU、公共機関の相互運用性に関する枠組みを発表。オープンソースとプロプライエタリの両方を支持

 欧州連合(EU)は今月、加盟国の公共サービスの相互運用性の枠組み「European Interoperability Framework(EIF) v2」を発表した。公共機関のICT実装や調達のガイドラインになるもので、オープンソースにも好意的な内容となった。

 EUは「Interoperability Solutions for European Public Administrations(行政組織のための相互運用性ソリューション)」プログラムの下、加盟国の公共機関間の相互運用性の取り組みを進めており、EIF v2は2004年以来初のアップデートとなる。同プログラムは、単一経済圏を活用するにあたって、市民や企業が国境を越えて情報や資料を収集/提出する際に効率よく、障害なく行うための電子行政サービスを目指している。EIFはそのガイドラインとなる。

 EIFでは相互運用性を法、組織、定義、技術の4つの面から検証し、「オープン性」「再利用」などを原則と定めた。オープン性については、「公共サービス構築の際に、必要な機能を満たし、成熟し、市場の支持を得ているオープンな仕様に優先権を与える」とした。再利用については、「政府が国の公共サービスについて意思決定する際、将来的に汎欧州公共サービスの一部として再利用できることを考慮すべき」とした。

 2年にわたるEIF策定中、オープンソース団体とプロプライエタリソフトメーカーの両方がEUに働きかけた。その結果、オープン性では、「人、組織、同じ興味を持つコミュニティが知識を共有し、コミュニティ間での議論を奨励する」と効果を評価し、オープン性の原則がフルに適用されれば、「全ての関係者は仕様開発へ等しく貢献でき、意思決定プロセスの中にパブリックレビューが入る」「全員が仕様を調べることができる」「仕様が関係する知的所有権はFRAND(公正合理的かつ非差別的)条項またはロイヤリティフリーベースでライセンスされ、プロプライエタリとオープンソースの両ソフトウェアの実装が可能」としている。

 3点目のプロプライエタリとオープンソースの両ソフトウェアの部分について、EUでは、「公共機関にソリューションを提供するにあたって、さまざまなビジネスモデルを持つ企業が同じレベルで競合できる」などと説明している。

欧州連合(EU)
http://ec.europa.eu/

Interoperability Solutions for European Public Administrations(ISA)
http://ec.europa.eu/isa