Eclipseユーザー調査を発表、進むLinuxの利用、Subversion人気

 Elicpse Foundationは5月27日、ユーザー調査結果を発表した。Eclipse開発者の間では、開発と実装でLinuxの利用が増加しており、ソース管理で「Subversion」の利用が群を抜いている実態などが明らかになった。

 このユーザー調査は、Eclipse Foundationがユーザーの利用動向やフィードバックを調べる目的で4月中旬から1カ月間実施、「The Open Source Developer Report」としてまとめたもの。調査には約1500人が参加、27.8%がドイツ、15.7%が米国在住の開発者で、日本の参加比率は0.5%だった。

 調査では、Linuxの利用が増えていることがわかった。開発に利用するデスクトップOSを聞いたところ、26.6%が「Linux」と回答、「Windows」は63.9%、「Mac OS X」は1.8%だった。実装では、「Linux」は41.7%となり、「Windows」の38.3%を上回った。Eclipseによると、2007年の調査では、Windowsのシェアは開発が約74%で実装が約47%だったことから、LinuxはWindowsのシェアを侵食する形で増加していると見ている。Linuxでは「Ubuntu」が人気で、開発用で14.4%、実装で11.4%と、ともにシェア最多となった。

 ソフトウェア開発に利用する言語は、Javaが76.6%で最多を占めた。開発するソフトウェアの種類としては、J2EEアプリ、データベースアプリなど「サーバーアプリケーション」が30.2%、「リッチインターネットアプリケーション(RIA)」が24.7%、「デスクトップアプリケーション」が23.4%の順となった。実装に用いるアプリケーションサーバーは「Apache Tomcat」が34.8%で最多、データベースは「MySQL」が27.7%、「Oracle」が27.3%だった。

 利用するソースコード管理は、「Subversion」が57.5%で最多、「CVS」は20%となった。変更管理では、「Bugzilla」(17.2%)、「Atlassian Jira」(17%)などが挙がり、ビルド管理では「Ant」(33.3%)、「Maven」(18%)などが挙がった。

 所属する組織や企業のオープンソースソフトウェアポリシーを尋ねたところ、「オープンソースの利用とコミュニティへの貢献を認めている」は48.2%となり、2007年の37%から増加した。一方、「オープンソースを利用するが、コミュニティとのやりとりは禁止」は28%で、2007年の46%から減少した。概して、組織・企業はオープンソースモデルを受け入れ始めていることがわかった。

 Eclipseコミュニティに対しては、「利用しているが、コミュニティ活動に参加していない」が67%で最多だった。

 Eclipseについては、89.1%が「満足」「非常に満足している」と回答した。開発者は、Eclipseを単なるJava IDEとしてではなく、「Eclipseは統合開発ツールのプラットフォーム」としてみていることもわかった。

Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/