米Novell、クラウド対応とWindows相互運用性が特徴の「SUSE Linux Enterprise 11」

 米Novellは3月24日(米国時間)、最新のLinuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise(SLE) 11」を発表した。仮想化とクラウド対応を強化し、Windows技術との相互運用性を実現した。

 最新版は3年ぶりのメジャーリリースとなり、Linuxカーネル2.6.27をベースに、相互運用性、ユビキタス、可用性の3つにフォーカスして開発された。SUSE Linux Enterprise Server、SUSE Linux Enterprise Desktop、拡張機能「SUSE Linux Enterprise Mono Extension」「SUSE Linux Enterprise High Availability Extension」が含まれる。

 相互運用性では、米Microsoftとの提携の成果を組み込んだ。「.NET」アプリケーションを動かすMono Extensionのほか、仮想化、管理、ID/ディレクトリなどで広範な相互運用性を提供する。デスクトップでも、「Microsoft Office」をサポートした「OpenOffice.org Novell Edition」や「Silverlight」で相互運用性を実現する。

 ユビキタスでは、サーバー側では、ハードウェアプラットフォームとしてx86-32、x86-64、Itanium、IBM POWER、IBM System zなどに対応、クラウドでは「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」でサポートされる予定という。仮想化技術「Xen 3.3」を搭載、「VMware ESX」「Microsoft Hyper-V」の各ハイパーバイザーに対応し、ネイティブに近い性能を実現するという。

 また、“必要最小限のOS”こと「SUSE Linux Enterprise JeOS(Just enough Operating System)」とツールスイートを4月にリリースする。これにより、ISV各社は、SLE技術を利用した仮想アプライアンスを構築できるようという。

 デスクトップ側では、米DellなどのPCベンダーと提携してのプリインストールを拡大する戦略で、デスクトップ、ノートPCのほか、ネットブックなども視野に入れるという。

 可用性は、High Availability Extensionによるクラスタ技術のほか、Swap over NFSプロトコルサポートにより、遠隔にあるストレージを活用できるようになった。年内にリリースを予定している拡張機能「SUSE Linux Enterprise Real Time Extension」により可用性をさらに強化、UNIXからのマイグレーションを推奨する戦略だ。

 Novellはまた、高度なLinux管理ソフトウェア「Novell ZENworks Linux Management 7.3」も発表している。

 SUSE Linux Enterprise Server 11、SUSE Linux Enterprise Desktop 11、Mono Extension、ZENworks Linux Management 7.3は同日提供を開始。SUSE Linux Enterprise JeOSは4月、High Availability Extensionは第2四半期、Real Time Extensionは今年後半にリリースする計画だ。

米Novell
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