「Windows Server 2008」発売イベントが来年2月に開催される理由――製品発売よりもマーケティングを主眼としたイベントに

 米国Microsoftは1日のイベントとして過去最大規模となるエンタープライズ製品発表会を来年2月に予定しているが、同イベントは発売よりもマーケティングに重点を置いたものとなる見通しであり、企業ユーザーは導入スケジュールをこの「発売」に合わせて組むのは避けるべきだろう。

 Microsoftが2008年2月27日にロサンゼルスで開催する発売イベントは、「Windows Server 2008」「Visual Studio 2008」「SQL Server 2008」という同社で最も人気の高い企業向け3製品の最新版の発売を公式に発表するものとなる。

 同社は今月前半(7月10日~12日)に開催された年次パートナー会議「Worldwide Partner Conference(WPC)2007」の出席者に対して、来年2月に全世界に衛星中継されるロサンゼルスの発売イベントは、この3製品が中心になると述べた。

 しかし、少なくとも現時点において、この時期に正式発売を予定している製品は、 Windows Server 2008だけであり、エンタープライズ基盤の革新を支援する抽象的なビジョンを示す同社お得意のマーケティング的な色彩の強いイベントになりそうだ。 Windows Server 2008の開発計画が予定どおり進めば、同ソフトウェアは年末までに製造工程に回されることになっている。

 なお、Visual Studio 2008に関しては、同製品チームのブログを見る限り、年末の発売を目標に開発が進められており、発売イベントは、これが数カ月ずれた場合の安全策にすぎないと見られる。ちなみに、Visual Studio 2008と「.Net Framework 3.5」は今夏の後半にBata2へ移行する見通しだ。

 一方、SQL Server 2008に関しては、2008年4月1日から6月30日の間に出荷される見込みであり、発売イベントに登場するのは最新のベータ・ビルドにすぎないことになる。

 MicrosoftのCOO(最高執行責任者)、ケビン・ターナー氏はWPC 2007の出席者に対し、「(2008年2月27日のイベントは)当社が1日で行うものとして最大の発表会になる」と強調したが、Microsoftの内部関係者は来年2月のイベントが製品よりもマーケティングに重点を置いたものであることを認めている。

 ではなぜこのような大々的な宣伝をこの時期に行うのか?

 Microsoftはこのイベントを利用して、同社のサービス戦略に基づく最新のバックエンド基盤と開発基盤を提供するこれら3製品の重要性と次世代エンタープライズ・ビジョンをアピールするねらいがあるようだ。

 MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー氏は、WPC 2007の基調講演で、3製品はいずれも「企業ユーザー自身のソフトウェアにサービス基盤を追加できるように強化がなされている」と述べている。

(ジョン・フォンタナ/Network World オンライン米国版)

米国Microsoft
http://www.microsoft.com/

提供:Computerworld.jp