Microsoft、Windows Server 2008日本語版の“進捗”を報告――パートナー企業が日本語版の発売に迅速対応できるようにするための施策も明らかに
発表会は、同社主催の開発者向けコンファレンス「Tech・Ed 2007 Yokohama」の会場(パシフィコ横浜)で開かれた。併せて、これら3製品の概要と、リリースに向けた現状などについての説明も行われた。リリース前に製品の情報を積極的に公開することで、パートナー企業が3製品の発売に迅速対応できるようにするのがねらいだ。
同社サーバプラットフォームビジネス本部業務執行役員本部長の五十嵐光喜氏は、これら3製品について、「エンドユーザーにアプリケーションをサービスとして提供するための次世代のインフラストラクチャ」と語り、それぞれ5つの利点を説明した。
Windows Server 2008の特徴については、(1)仮想化技術によるサーバ統合、(2)ネットワークアクセス保護(NAP)の実装、(3)ターミナル・サービスの機能強化、(4)Internet Information Services 7.0によるPHPのサポート、(5)「サーバ・マネージャ」、「Server Core」、「PowerShell」による、さまざまな技能レベルの管理者への対応が挙げられた。
例えば、NAPを採用することで、ポリシーに則ったPCしか社内環境に接続できないシステムが構築でき、セキュリティ・コンプライアンスの実現に役立つ。また、ターミナル・サービスによって、クライアントのアプリケーションをサーバ上で動かすことが可能になり、サーバ統合を推進する手助けになるという。
SQL Server 2008の特徴については、(1)実績のあるSQL Server 2005を開発ベースとして採用、(2)「透過的データ暗号化」、「ポリシーベース管理」、「データ操作監査」などによるコンプライアンスの実現、(3)サーバ統合に対応するための「マルチインスタンス」、「リソース・ガバナ」、「統合管理ツール」の実装、(4)「データ・パーティション」、「データ圧縮」機能の実装、(5)2007 Office Systemとの完全統合が挙げられた。
リソース・ガバナは、インスタンスの優先順位を設定するものであり、それに従ってCPUリソースの割り当てをコントロールすることが可能になる。またデータ・パーティション機能は、顧客に関する大量のデータをきちんと保全・管理し、なおかつ検索できるようにするフレームワークを提供するという。
Visual Studio 2008の特徴については、(1)Ajax対応など次世代Webアプリケーションの実現、(2)Vistaと親和性の高い環境の提供、(3)サーバおよびクライアントにおける2007 Office Systemの機能を最大限活用した.NETアプリケーション開発環境の提供、(4)Visual C#、Visual Basicの仕様の拡張とデータアクセス機能の強化、(5)アプリケーション・ライフサイクル管理の強化が挙げられた。
Vistaでは8,000を超える新APIが公開されているが、Visual Studio 2008では、これらがすべてサポートされており、Vistaに親和性のあるアプリケーションの開発が可能になる。また同製品では基本機能として、プログラムの改変によるパフォーマンスの変化を細かく評価できる新機能が備わっているという。
発表会では、上記3製品に関するソフトウェア開発パートナーへの支援プログラムが強化されることや、同製品群のベータ版を評価するユーザーのためのコミュニティWebサイトが21日から開設されたことも発表された。また、技術者向けのコンファレンスやテクニカル・トレーニングの開催も続々と予定されているなど、来年に同製品がリリースされて以降のビジネス展開を迅速に本格化できるようにするさまざまな施策が用意されている。
なお、今年4月26日に公開されたWindows Server 2008のベータ3日本語版は、6月末までで8万6,018コピーが配布されたという。SQL Server 2008については、8月21日より専用製品サイトで情報提供が開始され、日本語版のCTPが今年10月上旬にリリースされる予定という。8月10日にベータ2日本語版がリリースされたVisual Studio 2008に関しては、8月21日よりExpress Edition ベータ2の日本語版が提供開始されるという。
(高山哲司/Computerworld)
Microsoft
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