IBM、世界最速のスーパーコンピュータ「Blue Gene/P」を発表
Blue Gene/Pは、ネットワーク接続型のHPCクラスターで、CPUには850MHzのPowerPC 450コアを4個内蔵する専用チップを採用している。このCPUを32個搭載するボードを1本のラックに32枚収容することが可能で、4,096個のCPUコアが1本のラックに集積される。ラック1本当たりの処理能力は13.9TFLOPS(テラフロップス:毎秒1兆回の浮動小数点演算)だ。このラックの数を増やすことで処理能力を拡張することができ、3PFLOPSを実現する最大構成では216本のラックが光ネットワークで接続される。
ちなみに、スーパーコンピュータのTop500リストで現在首位のBlue Gene/Lシステム(米国ローレンス・リバモア研究所)は367TFLOPSで、最大構成のBlue Gene/Pはこの8倍以上の処理能力を持つことになる。73,728ノード(プロセッサ)構成時の比較では、処理能力はBlue Gene/Lの410TFLOPSからBlue Gene/Pの1PFLOPSと約2.5倍に向上している一方で、消費電力の増加は1.7MW(Blue Gene/L)から2.3MW(Blue Gene/P)と約1.35倍に抑えられているおり、消費電力当たりの性能は約1.85倍(2.5/1.35)に向上したことになる。
なお、米国エネルギー省のアルゴンヌ国立研究所やドイツのマックス・プランク協会(Max Planck Society)およびユーリヒ総合研究機構がBlue Gene/Pの導入を今年後半に開始するほか、米国ニューヨーク州のストーニーブルック大学とブルックヘブン国立研究所、英国の科学技術設備審議会のダルスベリー研究所も導入を計画しているという。
米国IBM
http://www.ibm.com/
IBM System Blue Gene Solution
http://www.ibm.com/servers/deepcomputing/bluegene.html