スパコン:省エネ番付「Green500」 IBMが上位独占

 米バージニア工科大学はこのほど、世界のスーパーコンピューターの省エネ性の番付「Green500」を発表した。従来のように「1秒当たりの演算回数」で比較する代わりに、「電力1ワット当たりの演算回数」で評価しており、環境への配慮を促すのが狙い。米IBM製のスパコンが1位から5位を独占した。

 定番のスパコン番付「Top500」の姉妹編。Top500は「演算回数」の順で並んでいるが、これを「1ワット当たりの回数」の順に並び替えた。首位は英ダルスベリー研究所にあるIBMの「Blue Gene/P」。演算回数は毎秒11兆1100億回で、Top500の方では121位にとどまったが、1ワット当たりは毎秒3億5723万回で、世界最高だった。

 6位が米デル製のスパコンだったのを除けば、27位までIBMが独占。同社は最近、省エネ性を売り物にしているため、それを証明した形だ。本家のTop500では、東京工業大学の「TSUBAME」(演算回数は56兆4300億回)も16位に食い込んだが、Green500では274位にとどまり、省エネでは遅れている印象になった。

 Top500で首位だった「Blue Gene/L」(同478兆2000億回)は、省エネでは22位。日本の「地球シミュレータ」(同35兆8600億回)は497位で、時代遅れの感が一層強まった。

 対象の500台のうち、約200台は実際に計測したデータを得られたが、残りは推計で判断したため、その点を考慮する必要がある。IBMは以前から省エネ性のデータをそろえているため、有利だった可能性がある。【南 優人/Infostand】

Green500
http://www.green500.org/

Top500
http://www.top500.org/