スパコンTOP500、IBMの「Blue Gene/L」が4期連続で首位を堅持――ベンダー別シェアではHPがIBMを抜いてトップに

 ドイツ・ドレスデンで開催中の「国際スーパーコンピューティング会議 2007」で6月27日、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング(TOP500リスト)が発表された。

 同ランキングは浮動小数点演算能力を基に、スーパーコンピュータをランク付けしたものである。調査は米国とドイツの研究者らが共同で行い、毎年6月と11月に結果を発表、今回は29回目となる。

 同ランキングによると、性能面で首位となったのは、カリフォルニア州ローレンス・リバモア国立研究所に導入されている米国IBMの「Blue Gene/L」で、4期連続でトップを堅持した。そのLINPACKベンチマーク性能は、280.6TFLOPS(1TFLOPSは1秒間に1兆回の浮動小数点演算を実行)※で、昨年6月に発表された数字とまったく変わっていない。しかし、2位となった米国クレイの「Cray XT4/XT3」(101.7TFLOPS)とは、2倍以上の性能差がある。

 一方、500位内に占めるベンダー別シェアでは、前回2位の米国HPが40.4%(202台)を占めてトップとなった。2位に転落したIBMのシェアは38.4%(192台)。ちなみに、昨年6月のシェアは、IBMが48%(239台)、HPが31%(156台)だった。

 プロセッサ・ブランド別のシェアでは、米国Intelのプロセッサが、57.8%(289台)でトップとなった。一方、米国AMDは、前回の調査時(昨年11月)の22.6%(113台)から21%(105台)へとシェアを落としている。

 Intelのシェアが拡大したのは、デュアルコア・プロセッサへの移行が速いペースで進んでいることが背景にあるようだ。過去6カ月間だけを見ても、デュアルコア・プロセッサの「Xenon 5100番台」(開発コード名前:Woodcrest)を搭載したスーパーコンピュータは、31台から205台へと急増している。またAMDのデュアルコア・プロセッサの「Opteron」を搭載したスーパーコンピュータも、過去6カ月間で75台から90台に数を伸ばしている。

 地域別で見ると、スーパーコンピュータの設置台数が最も多いのは米国の281台で、以下、欧州が127台、アジアが72台となっている。ちなみに、アジアにある72台のうち、23台のスーパーコンピュータが日本に設置されている。地域別の性能ランキングでは、東京工業大学のスーパーコンピュータ「TSUBAME」が48.88TFLOPSを記録し、3期連続でアジア地域1位の座を堅持している。

(パトリック・ティボドー/Computerworld オンライン米国版)

※ Blue Gene/Lの280.6TFLOPSは連続演算性能の値、ピーク性能は367.0TFLOPS。

TOP500リスト
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