VMware、デスクトップ仮想化ソフトの新版をリリース

 米国VMwareは5月9日、デスクトップ仮想化ソフトウェアの新バージョン「VMware Workstation 6」を発表した。

 VMware Workstationは、1台の物理デスクトップ・マシン上で複数のOSやアプリケーションを実行できるようにするハイパーバイザ方式の仮想化ソフトウェアである。

 新バージョンでは、ゲストOSおよびホストOSとして、Vistaを利用できるようになったほか、画面を複数のディスプレイに表示できるデュアル・モニタ機能などを新たにサポートしている。デュアル・モニタ機能は、金融サービスやCADソフトウェアなどを使用するユーザーにとっては有用だ。

 また、仮想マシンを安全に管理できる「ACE Option Pack」もオプションで提供されており、ユーザーは仮想マシンの設定をUSBドライブなどの携帯型デバイスに保存することで、別のコンピュータでも容易に利用することができる。

 VMwareのソフトウェア・ライフサイクル・ソリューション担当シニア・ディレクターを務めるジェイムズ・フィリップス氏は、機能強化のねらいについて、「仮想デスクトップと非仮想デスクトップの操作性では一貫性が重要になる」と語り、新バージョンでは仮想デスクトップの使い勝手が飛躍的に改善されるとしている。

 さらに、「レコード&リプレイ」機能も試験導入されている。同機能を使えば、仮想マシンの導入状況をあらかじめ記録し、ユーザーが記録の開始地点に戻って導入を再現することが可能になるため、どこで問題が発生したのかについて容易に確認することができる。同機能は、ソフトウェア開発業務などに効力を発揮するという。

 Workstation 6は、189ドルでダウンロードでき(ホストOSはWindowsとLinuxに対応)、ACE Option Packは69ドルで提供される。

 EMC傘下のVMwareは、サーバ/ワークステーション/デスクトップ・コンピュータに対応する仮想化ソフトウェアのトップ・ベンダーである。EMCは現在、IPO(新規株式公開)によって、VMware株式の10%を売却する手続きを進めている。

 VMwareは、XenSourceやVirtual Ironといったオープンソース・ベースの仮想化ソフトウェア製品を提供する新興ベンダーとの競争に直面している。また、Microsoftも、年内のリリースに向けて新しいVirtual Server製品を開発中だ。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)

米国VMware
http://www.vmware.com/

提供:Computerworld.jp