EMC、VMwareツールに対応したストレージ・リソース管理ソフト新版を発表へ――ユーザー企業からは“やっと対応した”と皮肉な歓迎の声も
EMCでは、ControlCenter 6.0を利用することでユーザー企業は物理環境と仮想環境を密接に連動させ、キャパシティ・プランニングをより精密に実行できるとしている。なお、発売は今年6月末を予定しており、価格は10TB構成で3万9,000ドルからだという。
ControlCenter 6.0は標準で12種類のリポート作成機能を提供する。また、ファイルに変更を加える場合にポリシーを作成してそのファイル操作を管理したり、重複したファイルを削除してストレージ環境を整理したりといった機能も搭載されている。
さらに、日立製ストレージ・アレイの管理機能も拡充されており、「SMI-S(Storage Management Initiative Specification)1.1」規格に準拠したEMC製以外のストレージ・システムもサポートしているという。
ControlCenter 6.0は既存のControlCenterユーザーから歓迎されているようだ。健康管理ツールを提供する、米国SHPSのシステム管理者ロリ・モツコ氏は、以下のように語っている。
「ControlCenterユーザーにとって、ControlCenterがVMwareツールをサポートしていなかったことは大きな不満の1つだった。EMCはVMwareを傘下に収めているにもかかわらず、VMwareツールに対応したエージェントを提供していなかった。 ControlCenter 6.0以前の製品でVMwareツールを利用する場合には、ディスク・ゾーニングを多用する必要があり、ゾーニングは手動で行わなければならなかった。しかし、ControlCenter 6.0では『VMwareツール対応エージェント』が用意されていると聞く。これは大きな進歩だ」
現在SHPSでは「ControlCenter 5.2」にService Pack(SP)5を適用して利用しており、「VMware ESX Server」を導入したマシンに2TBのストレージを割り当てているという。
同氏は、「ストレージの管理、割り当て変更、プロビジョニングを的確に行ううえでSRMは必須だ。ControlCenter 6.0でこれらの機能が強化された点は評価できる。ただし、ストレージ・リソース監視/リポート・コンポーネントの『StorageScope』がクラスタに対応していないのは残念だ」と語っている。
Forrester Researchのアナリスト、アンドルー・ライクマン氏は、「一部の企業はコストと管理の複雑さからSRM技術の導入を敬遠している。しかし、SRM技術を利用しなければ、ディスク容量が足りなくなった場合に適切な対応ができない。その結果、十分な検討もしないまま、割高なストレージを購入してしまうというミスを犯してしまう」と指摘する。
とはいえ、初めて導入するSRMソフトウェアで3万9,000ドルの製品を購入するには“勇気”がいる。ライクマン氏は、「最初にSRMソフトウェアを導入するなら、米国Onaroや米国MonoSphereなど、小規模なベンダーのSRM製品を検討するという方法もある」とアドバイスしている。
(ブライアン・フォンセカ/Computerworld オンライン米国版)
米国EMC
http://www.emc.com/
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