AMDとIntelのハードウェア仮想化技術で何が実現されるのか

 米AMDと米Intelが提供し始めたハードウェア仮想化技術は、ブレイクスルーとまではいかないが、ブレイクスルーの端緒であることは明らかだ。AMDの「SVM(Secure Virtual Machine)」と、Intelの「VT(Virtualization Technology)」は、CPU設計上の前提の著しい変化と、その結果としてのアーキテクチャの大幅な変更を意味している。

Xen 3.0に本格実装される疑似仮想化の実力──優位点は高速処理と柔軟性

 数年前にXenプロジェクトが登場するまで、疑似仮想化(Paravirtualization)という技術はほとんど知られていなかった。この技術では、対応するように変更されたOSが、特権操作(仮想メモリを再構成し、デバイスと通信する)をCPUに直接送るのではなく、「ハイパーバイザ」レイヤにリダイレクトする。VMwareやMicrosoft Virtual Serverなどのハードウェア・エミュレーション・ベースの仮想化ソリューションは、特権操作をCPU命令レベルで解釈してリダイレクトしなければならないが、この疑似仮想化によるリダイレクト方法は、それよりもはるかに効率的だ。

日本HP、仮想化ソフト「VMware」最新版をOEM販売

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2006年6月30日、ヴィエムウェア(本社: 東京都渋谷区)が6月に発表した仮想化ソフトの最新版「VMware Infrastructure 3」を発売した。サーバー環境の移行ツールを合わせてOEMで販売。x86サーバのハードウェア、OS、仮想化ソフトウェアをワンストップで顧客に提供する。価格は16万8000円から。

日本HP・NEC・日立、UNIXサーバ仮想化基盤の整備に向け共同プロジェクト

 日本ヒューレット・パッカード(HP)、NEC、日立製作所の3社は6月27日、HPのUNIXプラットフォーム「HP-UX」をベースとした仮想化技術「HP Virtual Server Environment」(HP-UX/VSE)を活用し、企業のミッション・クリティカル・システムの構築・運用を支援する共同プロジェクト「次世代ITインフラの整備共同プロジェクト」を開始することで合意したと発表した。

Wine Doorsの導くLinux環境でのWindows用アプリの実行

私がWineを最初に使用したのは、手元のLinuxマシンにWindows用ソフトウェアのインストールを試みた時だったが、その際に気づかされたのは、これがユーザフレンドリとは言えない代物ということであった。そんな状況で助けとなったのは、必要な作業をサポートするためのWineToolsというアプリケーションの存在である。多数のサードパーティ製Windowsアプリケーションは、Internet Explorer(IE)の低レベルシステムを流用して必要なサービスの実装を行っているので、大多数のユーザにとってIEの入手は必須であるが、こうしたIEおよびその他のDLL群など必要なWindows用アドオンのダウンロードをサポートしてくれるのがこのWineToolsだ。もっともWineToolsは未だに各種の問題を引きずっており、これを使用し続ける場合はその他のWineアプリケーションとの間で様々なトラブルが発生することを覚悟しなければならないだろう。その一方で新たな希望として登場したのが、Wine Doorsという新興プロジェクトであり、WineToolsではカバーされなかった機能も今では補完されつつある。

VMwareはリソース消費が多く効率が悪い ─ SWsoftのCEOが痛烈に批判

 米VMwareの仮想化ソフトウェアは、競合製品を大きく引き離して市場シェア首位を独走しており、サーバ統合プロジェクトのプラットフォームとして急成長している。しかし、仮想化専業ベンダーの米SWsoftのトップは、「リソース消費が多すぎ、動作が遅いうえに、コストがかかりすぎる」と、強く批判している。

サーバ・プロビジョニングを最適化する──新世代の「boot-from-SAN」の実力に迫る

 ディスクレス・サーバやブレード・サーバの管理に効率性を求める声が高まってきたのを受けて、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)ベンダー各社は先進的なサーバ・プロビジョニングをサポートする次世代ツールを提供し始めている。ブロケードの「Tapestry Application Resource Manager」、マイクロソフトの「Virtual Hard Disk」、あるいはエミュレックスの「N-Port ID Virtualization」などのツールは、従来型のboot-from-SANやLUN(論理ユニット番号)クローニングなどに比べてはるかに使いやすくなっている。本稿では、サーバ・プロビジョニングを最適化する新世代の「boot-from-SAN」技術の実力を徹底検証する。

Linux-VServerのインストール方法

BSDのjail機構をご存じだろうか。リソースをグループ化し、グループ内外で動作するサービス間に論理的な障壁を作る仕組みである。これを利用すると、セキュリティを改善することができる。Linuxの場合はLinux-VServerというアプリケーションがほぼ同様の機能を提供している。システムのリソース――CPU、メモリー、ハードディスク、ネットワーク――をグループ化、プロセスは所属するグループ内で動作するためサービス運用妨害攻撃に対する耐性が高くなる。こうした理由も手伝って、ホスティング企業の多くが仮想サーバーを導入している。

仮想マシンをいかに管理するか──機能不足のツールを使いこなす

 仮想マシンは、もはや“当たり前”の存在になった。だが、そうやって多くの仮想マシンが使われるようになればなるほど、その管理は難しくなる。しかも、そこでは、仮想マシン特有の管理機能に加え、仮想サーバと物理サーバの一括管理やクロスプラットフォームへの対応といった高度な機能が要求される。さらには、仮想マシンのプロビジョニングをどう自動化するか、あるいは仮想マシンを利用するエンドユーザーへの課金をどうするかといった問題に対する解決策も求められる。本稿では、「仮想マシンの管理」に関する、そうしたさまざまな問題について考えてみたい。

VMware Playerを用いたイメージの作成法

デスクトップ仮想化ソフトウェアVMware Playerのフリーバージョンが、VMwareからリリースされたのは数カ月前のことである。これは既存のデスクトップ上で第2のオペレーティングシステムを動作させることができる非常に有用なアプリケーションなのだが、唯一の問題点は、VMware Playerを用いた仮想イメージの新規作成はできないということだ。ただし、少しばかりの労を惜しまなければ、VMware Playerを用いてゲストオペレーティングシステムを構築するのは不可能な話ではない。

「オープン標準へのコミットが顧客価値の最大化に通じる」─米国デルのマネジャーが語るLinux戦略

デルのLinux戦略──その全容を日本の企業に訴求すべく、先ごろ、米国デルでLinuxとHPCC(ハイパフォーマンス・コンピューティング・クラスタ)、および仮想化にかかわるグローバル・アライアンスを担当するマネジャー、ケビン・ノリーン(Kevine Noreen)氏が来日し、東京ビックサイトで催されたLinux/オープンソース・ソフトウェアの総合イベント「LinuxWorld Expo/Tokyo 2006」(会期:今年5月31日〜6月2日)で講演を行った。ここでは、同Expo会場で実施したノリーン氏に対するインタビューの概要を、一問一答の形式で報告する。