富士通、ブレード・システム構築支援サービス「TRIOLE BladeServer」を発表

 富士通は6月15日、ブレード・サーバを中核にハードウェア、ミドルウェア、サービスを組み合わせて提供するシステム構築支援サービス「TRIOLE BladeServer」を発表した。

 TRIOLE BladeServerでは、ブレード・サーバを用いたシステムの構築に向けて、事前検証済みのブレード・サーバ、ストレージ、ネットワーク機器、ミドルウェアを組み合わせて提供するとともに、システムの導入から保守まで包括的にサポートすることを大きなねらいとしている。

 TRIOLE BladeServerには、(1)インテルの最新デュアルコア・プロセッサを搭載したブレード・サーバ「PRIMERGY BX620 S3」、(2)10ギガビット対応のスイッチ・ブレード「PRIMERGY BX600」、(3)統合運用管理ミドルウェア「Systemwalker Resource Coordinator V13」、(4)高可用型システムをセット化した「SANブートセット商品」、(5)「保守延長オプション」などの新製品/サービスが含まれる。

 PRIMERGY BX620 S3は、デュアルコアのXeonプロセッサ5080(3.73GHz)/5060(3.20GHz)/5050(3GHz)を最大2CPUまで搭載可能。DIMMスロットを8つ搭載し、最大16GBまでメモリ容量を拡張することができる。業務の継続に向けて冗長構成およびホットプラグをサポート。Windows Server 2003 R2、Red Hat Enterprise Linux v.4をはじめ、さまざまなOSに対応している。価格は47万円から。7月下旬から出荷開始される。

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ブレード・サーバ「PRIMERGY BX620 S3」

 PRIMERGY BX600は、10ギガビットの高速通信をサポートしたシャーシ内蔵型FCスイッチ。上り10Gbpsのポートを2個、1Gbpsのポートを6個、下り1Gbpsのポートを10個装備する。価格は90万円。なお、今年7月下旬に後継製品としてフル10ギガビット対応のスイッチ・ブレードが投入される予定となっている。

 Systemwalker Resource Coordinator V13は、サーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアといったリソースを一元管理し、構成や状態、トラブル発生時の影響や原因を可視化するリソース制御ソフトウェア。導入や構成変更、トラブル時の対処、定期保守などを自動化する機能を備える。新版では、ネットワーク構成の構築を自動化する機能、および、各種ITリソースを統合管理する機能が強化された。これにより、リソースを自立的に管理し、システムの安定稼動を維持しながら、ITシステムの最適化が図れるとしている。

 SANブートセット商品とは、サーバで動作するOSやアプリケーションなどのプログラムを、サーバに内蔵したハードディスクではなく、SAN(Storage Area Network)に接続されたディスクアレイに格納し、サーバをSANを介して起動・動作させるのに必要となるハードウェアとミドルウェアをセットにして提供するもの。ブレード・サーバ、ディスクアレイ、4ギガビットFCスイッチ、Systemwalker Resource Coordinator V13で構成される。これにより、予備ブレード・サーバへの自動切り替えを実現し、業務継続をサポートできるとしている。価格は680万円から。8月下旬から出荷開始される。

 「SANブート構築に関するユーザーからの要望はとりわけ高い。ブレード・サーバの商談のうち、43%が“高可用性”システムについての要望であり、今回の機能強化はそうした要望に沿ったもの」と、富士通のサーバシステム事業本部でIAシステム事業部長を務める増田実夫氏は述べている。

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富士通 サーバシステム事業本部 IAシステム事業部長 増田実夫氏

 また、TRIOLE BladeServerでは、シャーシの保守期間を、通常の5年間から最長7年間に延長するオプションが新たに追加され、初期導入後のサーバ増設も安心して対応できるとしている。

 さらに、システム導入時には、過去の実績に基づいたブレード・サーバの導入ノウハウとして「TRIOLE BladeServerテンプレート」が提供される。用意されるテンプレートは8種類。それぞれ「サーバ集約」、「高信頼システム」、「クライアント統合」の3つのカテゴリーに分類されている。ユーザーの要望に応じてこれらのテンプレートを活用することで、事前検証済みで信頼性の高いシステムの迅速な構築が可能になるという。

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富士通 経営執行役 サーバシステム事業本部長 山中明氏

 ほかにも、ミドルウェアとして、ヴイエムウェアの仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」や、シトリックスのシン・クライアント・ソフトウェア「Citrix Presentation Server」といったパートナー製品も一部採用しており、富士通のハードウェアとの連携をサポートしている。

 同社の経営執行役サーバシステム事業本部長、山中明氏は、発表に際し、「今回のTRIOLE BladeServerの発表を機に、ハードウェアを軸としたこれまでの戦略を見直し、今後はミドルウェア、サービスを含めたソリューションとして提案しながら、TRIOLEブランドを全面に押し出していく。ブレード・サーバ市場における当社のシェアは現在10%程度だが、2008年には20%以上にまで引き上げたい」と抱負を述べた。 (大川 亮/Computerworld.jp)

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提供:Computerworld.jp