Smail――簡単な設定で即座に使える軽量型メールサーバ

 電子メールシステムで使われているメール転送エージェント(MTA:Mail Transport Agent)とは、EvolutionやMozilla Thunderbirdなどのクライアントアプリケーションから出されたメールを収集し、宛先として指定されたマシンに配送するためのルーティングを行うプログラムである。こうした処理は、差出人と受取人の間をつなぐ一種の“配管接続”をする作業だとでも考えればいいだろう。現在利用可能なMTAとしては、PostfixSendmailqmailなどの優れたメールサーバが存在しているが、これらを立ち上げるにはいずれも膨大な量の設定を必要とする。そのため、例えばWeb開発プロジェクトに付随するメール関連の試験や、限られたローカル環境のみをカバーしたメール配信をこなせるだけのMTAが欲しい、というユーザにとっては導入時の負担が大きすぎるとも言える。その点、複雑な設定をほとんど必要とせず、多機能型MTAよりも少ないメモリ消費量で運用可能なSmailこそは、こうしたシナリオに適しているMTAとしていいはずだ。

ローカルIMAPサーバの構築方法

 インターネットサービスプロバイダ(ISP)のサーバからメールを取得するように普通のやり方で電子メールクライアントを設定するだけでは、十分に対応しきれない状況もある。たとえば、デスクトップPCの補助用にノートPCを導入している場合や、ときおりパートナーのコンピュータを使って自分のメールを読む場合だ。そうした状況では、自分が使うすべてのクライアントマシンでメールの同期を取るという課題にぶち当たる。POP3(Post Office Protocol)の代わりにIMAP(Internet Mail Access Protocol)を使うという手もあるが、その場合はすべてのメールをISPのサーバにためておく必要があり、それはそれで問題が残る。ここでは、自分のネットワーク上にメールの読み出しと保管用のサーバを1台セットアップすることで、メールクライアントが何台あってもメールを同じように扱えるようにする方法を紹介する。

PostPath:エンタープライズ品質のオープンソースのExchange代替ソフト

 Microsoft Exchangeとの相互運用を望んでいるが、Exchangeの導入に必要な高額の費用を望まない企業のシステム管理者にとって、 PostPath 電子メール/コラボレーション・サーバは賢い投資となるだろう。Exchange環境との相互運用を3分の1のコストで実現すると称するPostPathは、Postfixメールサーバとその他の多くのオープンソースコンポーネントの力を借りて、Exchange環境に対応する指し込み式の機能と互換性を提供する。クライアント側でOutlookに変更を加える必要はない。Exchangeと互換性があるということは、MicrosoftのActive Directoryインフラストラクチャを使ってPostPathを管理できることを意味する。最新バージョンのPostPath v3.1.2ではBlackberry Enterprise ServerとActiveSyncがサポートされ、モバイルデバイスから電子メールにアクセスすることも可能になった。

IIJ、送信ドメイン認証機能を実装したメールフィルタプログラムをOSSで公開

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2008年08月28日、メールシステムに送信ドメイン認証技術「SPF/Sender ID」を実装したメールフィルタプログラムを独自開発、オープンソースソフトウェアとして無償公開した。ライセンスはBSD。送信元を詐称した迷惑メールへの対策として、企業やISPへの導入を促進する。

オープンソースのグループウェアScalixが新バージョンでMicrosoft Exchangeに挑む

 コラボレーションプラットフォームScalixは、最新のバージョン11.4により、Microsoft Exchangeの置き換えを狙っている。2001年にHewlett-Packardが手放したOpenMailプラットフォームをベースに、Scalix社が開発を続けてきたこの製品は、今やオープンなAPIを使ってERP、CRM、請求決済支援といったシステムとの統合が可能な、企業向けのメールおよびグループウェアサーバとなっている。大半のLDAP認証メカニズムと互換性があり、WindowsのActive DirectoryやNovellのeDirectory、Red HatのDirectory Serverの認証に対応する。最も注目されるのがMicrosoft Exchangeとの互換機能であり、Outlookクライアントを使ってScalixプラットフォームにアクセスすることができる。また、ExchangeのOutlook Web Access(OWA)とほとんど同じAjaxベースのクライアントも用意されている。さらに、Outlookだけでなく、Exchangeによるほかの既存メールシステムとも問題なく共存できるという。

GmailのためのFirefoxエクステンション3本

 よく知られたGoogleのWebメール・アプリケーションGmailは、そのままでも十分な機能を備えている。しかし、Firefoxの利用者であれば、さまざまなアドオンを使ってGmailをさらにカスタマイズすることができる。見た目だけを変えるアドオンや、機能を追加して素朴な電子メール・アプリケーションというよりシステム手帳に近いものにするアドオンなどがある。ここでは、Gmail向けのFirefoxアドオンを3本紹介する。

PostPath:ExchangeプロトコルをクラッキングしたPostfixメールサーバ

 PostPathはMicrosoft Exchangeの代替ソフトウェアとして気軽に使える企業向けメールサーバであり、そのベースになっているのはオープンソースのメール転送エージェント(MTA:Mail Transfer Agent)Postfixだ。PostPath社のプロダクト管理マネージャSina Miri氏によると、PostPathはExchangeを簡単に置き換えられる「唯一」の製品であり、オープンソースから生まれたソフトウェアであるにもかかわらず、同社がこの製品をプロプライエタリなライセンスでしか提供していないのはそのためだという。

メール・サーバー用ベンチマーク・ツール Postal

 Postalプロジェクトが提供するスイートには、メール・サーバーのパフォーマンスを測定するためのプログラムが3本含まれている。その中心となるのは、指定された頻度で指定された宛先リストに電子メールを送るプログラムpostalだ。これを利用すると送られてきた電子メールを処理する速度がわかり、したがってメール・サーバーの強化に先だってソフトウェアやハードウェアの変更によって得られる改善の程度を知ることができる。たとえば、現状のハードウェアのままでIMAPサーバーを変更したとき1秒間に処理可能な電子メール通数が向上するかどうかを予測することができる。

スケーラブルでカスタマイズ可能なウェブメール、AtMail Open

 今日のビジネスは、電子メールなくしては立ちゆかない。しかし、企業規模が大きくなればなるほど電子メール・サーバーの管理を巡る悩みは深くなりがちだ。巷には電子メール管理ツールが溢れているが、その多くは高価か、さもなければカスタマイズが難しい。そんな中、 AtMail が自社の製品ラインにオープンソース版を加えた。一般的なWebメール・アプリケーションと同様の機能を持ちながら無償だ。

HDE、“うっかり送信ミス”を防ぐメールゲートウェイソフト

 HDE(本社:東京都渋谷区)は、メール送信の際、サーバ側で一時保留して送信者に確認を促し、あて先間違いや敬称記載漏れなどの“うっかり送信ミス”を防ぐメールゲートウェイソフト「HDE Mail Cop」を2008年6月27日発売する。価格は250ユーザー52万5000円、500ユーザー94万5000円。年間サポートは製品価格の15%。