エクスブリッジ(本社:名古屋市)は2008年10月6日、既存の企業システムに簡単に組み込めるメール配信プラグインソフト「HELIOS.PetitMail」をオープンソースで公開した。ライセンスはMITで、自由に改変して利用できる。
Smail――簡単な設定で即座に使える軽量型メールサーバ
電子メールシステムで使われているメール転送エージェント(MTA:Mail Transport Agent)とは、EvolutionやMozilla Thunderbirdなどのクライアントアプリケーションから出されたメールを収集し、宛先として指定されたマシンに配送するためのルーティングを行うプログラムである。こうした処理は、差出人と受取人の間をつなぐ一種の“配管接続”をする作業だとでも考えればいいだろう。現在利用可能なMTAとしては、Postfix、Sendmail、qmailなどの優れたメールサーバが存在しているが、これらを立ち上げるにはいずれも膨大な量の設定を必要とする。そのため、例えばWeb開発プロジェクトに付随するメール関連の試験や、限られたローカル環境のみをカバーしたメール配信をこなせるだけのMTAが欲しい、というユーザにとっては導入時の負担が大きすぎるとも言える。その点、複雑な設定をほとんど必要とせず、多機能型MTAよりも少ないメモリ消費量で運用可能なSmailこそは、こうしたシナリオに適しているMTAとしていいはずだ。
ローカルIMAPサーバの構築方法
インターネットサービスプロバイダ(ISP)のサーバからメールを取得するように普通のやり方で電子メールクライアントを設定するだけでは、十分に対応しきれない状況もある。たとえば、デスクトップPCの補助用にノートPCを導入している場合や、ときおりパートナーのコンピュータを使って自分のメールを読む場合だ。そうした状況では、自分が使うすべてのクライアントマシンでメールの同期を取るという課題にぶち当たる。POP3(Post Office Protocol)の代わりにIMAP(Internet Mail Access Protocol)を使うという手もあるが、その場合はすべてのメールをISPのサーバにためておく必要があり、それはそれで問題が残る。ここでは、自分のネットワーク上にメールの読み出しと保管用のサーバを1台セットアップすることで、メールクライアントが何台あってもメールを同じように扱えるようにする方法を紹介する。