オープン・クラウド・コンピューティングの現状

 クラウドコンピューティングのベンダーの中には、3teraやNirvaniなどのように、選択の幅が狭く、限定されたまたは閉じられたアーキテクチャーでしか使えないプロプライエタリーなプラットフォームやツールを提供しているところがある。そうした大手ベンダーがクラウドと言えば、それはそのベンダーが提供するクラウドのことだ。だから、クラウド・コンピューティングを利用するアプリケーションの開発では書き方や構築の方法が制約されるのはやむを得ないと思うかもしれない。しかし、そうした見方は間違っている。クラウド・コンピューティングのためのオープン標準はすでにあり、今は調整段階にあるからだ。

学術・教育環境での利用に適したRocksクラスタ

 クラスタコンピューティングは、学術・教育環境で実施される研究において重要な役割を担っている。使える予算やハードウェアは研究者ごとに異なるため、多くの場合、小規模でも有効かつ大規模クラスタにも拡張できるクラスタリングソリューションを探す必要がある。また研究者は通常、助成金を最大限に活用するために、自らのニーズを満たすオープンソースのソリューションを求めている。望ましい機能が一部欠けてはいるが、Rocksクラスタは、コンピューティングクラスタの構築に最適なオープンソースソリューションの1つといえる。

NECとトレンドマイクロ、企業向け高可用性ソリューションで協業

 NECとトレンドマイクロは2008年1月21日、企業向け高可用性ソリューションの分野で協業すると発表した。NECのHAクラスタリングソフト「CLUSTERPRO X」と、トレンドマイクロのWindowsサーバ向けセキュリティソフト「ウイルスバスター コーポレートエディション」の連携を両社でサポートする。今後3年間で3000システムの導入を目指す。

エクセルソフト、インテル・クラスター・ツールキットとコンパイラーの新版

 エクセルソフト(渡辺光敏代表取締役)は11月8日、HPCクラスターおよびマルチコア向けアプリケーションの開発・最適化を支援する米インテル社の「インテル クラスター・ツールキット 3.1」「インテル コンパイラー 10.1」を11月14日(一部は11月7日)に出荷開始すると発表した。

ミラクル・リナックスとNEC、統合管理機能などを追加したクラスタパッケージ

 ミラクル・リナックス(佐藤武社長)とNEC(矢野薫社長)は、異なるプラットフォームでの統合管理機能やディザスタリカバリ機能などを追加した高可用性(HA)クラスタソリューションパッケージの最新版「MIRACLE CLUSTERPRO X(ミラクル クラスタプロ エックス)」を9月18日から出荷開始すると発表した。

富士通、九大からLinuxクラスタによるスーパーコンピュータを受注

 富士通は2007年3月14日、九州大学情報基盤センター(所在地:福岡市)からLinuxクラスタで構成されるスーパーコンピュータシステムを受注したと発表した。総演算性能は31.5テラフロップス(TFLOPS)で、国内7カ所の全国共同利用情報基盤センターの中で最高性能になるという。6月に稼動する予定。