「Apache NetBeans 12.0」公開、長期サポート版としてのリリースに

 Apache NetBeansコミュニティは6月11日、オープンソースのJava統合開発環境(IDE)の最新版「Apache NetBeans 12.0」公開を発表した。

 Apache NetBeansはJava SE、Java EE、PHP、JavaScript、CSSなどの言語向けの統合開発環境(IDE)。高速かつスマートなエディタ機能とツールを備え、Linux、macOS、Windows、BSD系OSをサポートする。

 Apache NetBeans 12.0は2019年4月に公開されたバージョン11に続く最新のメジャーリリース。バージョン11.1、11.2、11.3の機能を統合した長期サポート(LTS)版となる。

 プレビュー導入となっている「record」キーワードのシンタックスハイライトや、同じくプレビューのinstanceofのパターンマッチングなど、Java 14関連の新機能をサポートした。また、Java 13向けではテキストブロック(プレビュー)を、Java 12向けではSwitch表現(プレビュー)をサポートするなど、Java言語の最新の機能をサポートした。

 Java EE対応については、すでにバージョン11.1でJava EE 8をサポート済みで、Java EEアプリケーションを作成してデプロイできるMavenアーキタイプの「webapp-javaee8」を利用できる。Java EE ServerではGlassFish 5.0.1、Tomcatなどをサポートするほか、GlassFishの代替とされるPayaraの統合、WildFlyの統合なども加わっている。このほか、Maven、GradleなどJavaビルドシステムも強化した。

 PHPサポートでは、2018年11月に公開されたバージョン7.4をサポートした。11.3で実現したTypeScriptエディタの統合もある。

 C/C++サポートでは、2016年までプロジェクトが属していた米OracleからApache Software FoundationへのC/C++関連機能のコードの寄贈が完了したと報告している。一方でまだコード統合は完了しておらず、ライセンスとIP(知的所有権)の整理などの作業に加えて、一部のコードについては寄贈ができなかったことなどから、大規模なタスクになるとしている。

 ルック&フィールでは、OracleからのDark MetalとDark Nimbusの寄贈を受けて、ダークモードのサポートが実現した。Java Swingデスクトップアプリ向けのルック&フィールFlatLafも統合した。WindowsでのHiDPIサポートも加わった。

 このほか多数の細かな機能が加わっている。

Apache NetBeans
https://netbeans.apache.org/