Java 9/10をサポート、「Apache NetBeans(incubating)9.0」リリース

 Apache NetBeansは7月29日、Java SE向けの統合開発環境(IDE)「Apache NetBeans (incubating) 9.0」のリリースを発表した。Java 9/10のサポートなど多数の新機能が加わっている。

 Apache NetBeansはJava向けの統合開発環境。米Sun Microsystemsが取得した技術で、その後Sunを買収した米Oracleの下のプロジェクトとなっていたが、2016年に非営利のオープンソース団体であるApache Software Foundation(ASF)に寄贈された。現在もASFのインキュベーションプロジェクトとして進んでいる。

 Apache NetBeans(incubating)9.0は、ASF傘下のプロジェクトとなって初めて公開されるメジャーリリース。前バージョンとなるバージョン8は2014年に公開されており、実に4年ぶりに登場するメジャーリリースとなる。

 本リリースではJava 9とJava 10のサポート、それにOracleから寄贈されたコードにある知財の除去の2つを開発目標としてプロジェクトを進めた。新機能として、Local Variable Type Inference(ローカル変数型推論)をサポートした。Java 10の新機能で、明示的な変数型をvar型に変換したり、逆にvar型から戻したり、var宣言の分割などにあたってのヒントを表示する。

 また、Java 9のモジュール機能である「Jigsaw」(JPMS:Java Platform Module System)をサポートした。Classpathに加えてModulepathが加わり、標準的なAntベースのJava SE Project Typeは単一のJDK 9モジュールとして、デフォルトのパッケージにmodule-info.javaに入れて使うことができる。

 新しいJava Modularプロジェクト型も加わった。単一のNetBeansプロジェクトで複数のJDK9モジュールを開発できる機能で、依存性の管理を軽減でき、プロジェクト内の全モジュールを一括してコンパイルできるなどのメリットがあるという。

 これらに加え、JDK9のJava Shellのサポートも導入し、Read-Eval-Print-Loop(REPL)が利用できるようになった。

 このほか、既存機能の強化も加わっている。

Apache NetBeans
https://netbeans.apache.org/