Node.js開発者が作った新たなJavaScriptランタイム「Deno 1.0」リリース
JavaScriptランタイムエンジン「Deno」の開発チームは5月13日、「Deno 1.0」を公開した。
DenoはJavaScriptエンジンV8をベースとしたランタイム環境。モダンかつセキュアなランタイムと称されている。TypeScriptトランスパイラが内蔵されており、TypeScriptコードの直接実行もサポートする。
Denoを開発したのはNode.jsの開発者としても知られるRyan Dahl氏で、Nodeのアルファベットを入れ替えてDenoとした。「Nodeは2009年に設計され、当時からJavaScriptは進化している」、「Nodeは多くの開発者が使っており、進化のスピードは遅い」とDeno開発チームは記しており、「JavaScriptとその周辺のソフトウェアインフラの状況は変化しており、簡素化が必要だ」とDeno開発の経緯を記している。
WebブラウザなしにJavaScriptコードを実行できる点はNode.jsと同じだが、明示的に有効にしない限りファイルシステムやネットワーク、環境にはアクセスできない点や、モジュールの読み込みにはimport構文を使用し、require()を使ったモジュール読み込みをサポートしない点、パッケージマネージャやpackage.jsonファイルを使ったパッケージ管理機構を提供しない点、モジュールをURLやファイルパスで指定する点、Web Assembly(wasm)バイナリを直接実行できる点などが異なる。依存性インスペクタ、コードフォーマッタをビルトインで備え、標準モジュールも用意する。
DenoはRustを使って実装されており、モノリシックなプログラムではなく、Rustのクレートを集めたものとして設計されているという。Deno 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。
Deno
https://deno.land/