「Dart 2.7」リリース、拡張メソッド機能が実装される

 GoogleのWeb向けプログラミング言語Dart開発チームは12月12日、最新安定版となる「Dart 2.7 SDK」公開を発表した。

 DartはGoogleが開発するプログラミング言語。JavaScriptの代替として登場したが、現在はクライアント向けに最適化されたプログラミング言語と位置付けている。JavaScriptにコンパイルしてさまざまなJavaScriptエンジンで実行できるほか、ARMおよび64ビットx86のネイティブコードにコンパイルすることもできる。これによってモバイルやデスクトップ、バックエンドなど任意のプラットフォームで高速に動くアプリケーションを開発できる。11月に公開されたGitHub Octoverseのレポートでは、貢献者の数でもっとも成長している言語と評価されている。

 Dart 2.7は11月に公開されたバージョン2.6に続く最新版。

 本バージョンでは拡張メソッド機能が実装された。以前から要望が多かった機能で、任意の型に対して新しい機能を加えることができる。例として、dart:coreで定義されているため変更できないStringクラスに対して、拡張メソッドを利用してparseIntメソッドを呼び出すなどのことが可能になるとしている。

 また、null安全のサポートがプレビューとして加わった。null参照例外をトリガーすることなくオブジェクト参照に安全にアクセスできる。

 文字パッケージとして「Characters」もプレビュー(バージョン0.5)として導入した。標準のStringクラスはUTF-16を用いるが、特別な文字の処理のためのパッケージとなる。

 Dart 2.7はSDKとしてプロジェクトのWebサイトより入手できる。同日、Dartをベースとするモバイルアプリケーションフレームワークの「Flutter 1.12」も公開している。

Dart
https://dart.dev/